老化

NHKTV番組「ミクロの大冒険」。

老化について私にとって驚くべき知見が得られた。普通、私たちの体の老化というと、いろんな部分が耐用年数を過ぎたがゆえに徐々に衰えてゆく、というイメージを浮かべるが、実際はそんな生易しいものではないのだそうである。

本当の「老化」の犯人は「免疫細胞の老化」。免疫細胞は思春期までは活発に機能するが、それ以降は年を重ねるにつれて活動が衰える。もちろん数も増えない。70台の活性度は最盛期の1割程度とのこと。

 

こうなると不思議なことに、この機能不全の免疫細胞が全身にばら撒かれて、脳や血管などの臓器を攻撃し始める。これによって、心不全脳梗塞など老人病が起こって死にいたる。これが老化の実態だそうである。

 

ということは、機能不全に陥った免疫細胞を生まれたての活発な細胞に入れ替えればよい。しかしこれは言うは安し、行なうは不可能だった。しかし山中ノーベル賞教授のIPS細胞によって可能になりつつある、というのがこの番組の骨子だ。

 

ゆくゆくは寿命1000年も夢ではない?とのことだが、わたくし個人としてはこんな研究は大反対である。考えても見てください。世に憚るヒトラーのような暴君が1000年も君臨するのですよ。あいつは年だからもうすぐ死んでくれるという希望だけを頼りに耐えている庶民の希望をどうしてくれるのですか。