中年のパラサイト

昨日深刻なTV番組を見た。40過ぎの、独り暮らしの中年の息子が職を失い、食えなくなって老親のもとに転がり込む例が急激に増えているとのこと。

一方、老親は老親で、わずかな国民年金でだけでは生活できず、合わせて生活保護を受給している。そこへ息子が転がり込むである。

するとどうなるか。働き盛りの息子が世帯に加わったということで、生活保護が打ち切られる。ところが息子は、テンポラリーの非正規雇用の口にしかありつけず、生活保護費にも遥かに満たない、しかも不安定な収入しかえられない。

⇒必然的に親子共倒れである。

問題は2点ある。

非正規雇用の増加

10年前非正規雇用の割合が3割になって大問題になったのにいまやその割合は4割に増えいる。おまけに労働市場流動性の欠如のため、一旦職を失うと、正規雇用の機会を得るのは、らくだが針の穴を通るように難しい。

生活保護政策の硬直

世帯員の実態を見ていない。働き盛りの世帯員が居れば自動的に生活が成り立つというのは30年前の話。今や低収入の非正規雇用にしかありつけないという実態に役所は目を瞑っている。この人たちにいくら職業訓練を施しても無駄である。企業に全く正規に雇用する気がないのだから。

解決の目標は明らかである。⇒

「昔のように、子供が普通に老親の面倒を見て生活が成り立つような環境を用意すること。」

公的介護費用の削減はこれしかない。

・子が食えぬ親も脛痩せ大ピンチ

・親の脛どこに消えたか子が騒ぎ

・パラサイト頼る脛なく共倒れ

・老介護やがて悲しき共倒れ