断層

昔習った地質学のうろ覚えですから以下の数字に間違いがあるかもしれない。怪しいと思ったら各自確認してください。

さて昨日、断層はグレーゾーンマターだと書きましたが、実際にそうとしか思えません。その理由を列挙します。

まず、活断層の直上に原発は建てられないことになっています。では、活断層とは何でしょうか。簡単に言えば、「最近」動いた断層のことです。最近の断層は、地下の力関係が同じなので、近い将来必ずまた動く。「古い」断層は地下の状態が安定してしまっているのでもはや動かない、という理屈です。

グレーゾーン① 問題は「最近」とはいつのこと?数字はあやふやですが、確か260万年くらい以降だったかな。しかし、数字で厳密な線引きは出来ません。だから、「古い」と思って除外したら、実はそうでなく「活」だったということがありうる。それに、その断層の年代を決めること自体大きな誤差がある。

グレーゾーン②は断層の調べ方です。どうするかというと、遺跡調査みたいに溝を掘ってあらわれた断層を目視する。その様子は、下の絵をご覧下さい。これを断層トレンチ調査といいます。

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穴の深さは深くても10mくらい。この深さですと、数万年から何十万年くらい前までの断層の有無は分かるが、それより深部にある古い「活」断層は発見できません。ですからOKといわれた原発敷地でも、もっと深いところに活断層がないとはいえない。

グレーゾーン③ 溝を掘った地点ピンポイントの断層の有無は分かるが、ちょっとでもずれた場所については分からない。だから、原発の敷地全域が安全という保証はないのではと思います。

グレーゾーン④ 何もないところが初めて断層になって地震がおきる。こういうことだってあるはずだから、結局絶対安全な地というのは日本にはないと思ったほうがよい。

さらに、最近の規則では、断層直上の原発はだめだが、ちょっとでもずれればいいことになっている。しかしこれはちょっとあぶないんじゃないかと。ネットの情報ですが、住宅でさえもっと厳しく規制されている。例えば、カリフォルニアサンアンドレアス断層では、断層両側15mが住宅建設禁止区域に規制され、日本でも、横須賀市なんかには、活断層両側25m以内は住宅開発しないよう行政指導しているそうです。ましてや原発なんだから、もっと石橋を叩いてもらいたいものです。