ガスミュージアム

東久留米は湧水と自然の町。文化的にめぼしいものはない、と思っていたら一つ見つけました。東京ガスの運営する「ガスミュージアム」です。

まず、建物が昔のレンガ造りで絵になります。

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この建物は東京ガス(株)の千住工場を復元移築したものだそうです。

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庭のガス灯を模した灯り

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家庭で使用するガス器具の発達の歴史が実物展示されています。

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ガス器具の展示は常設ですが、この施設がユニークなのは、明治以降に書かれた浮世絵を随時企画展示していることです。建物の雰囲気とよくマッチして明治期へタイムスリップした感じです。江戸の浮世絵が美人、役者や景色が対象だったのに対し、明治期のは社会性、報道性を重視した描き方が特徴で、これらの絵から当時の社会、風俗、政治を垣間見ることが出来ます。例えばこんな感じ。

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次の絵は何の現場でしょうか。クレーンの背後に見えるのは実はガスホルダー(=ガスタンク)です。場所は城東区砂町、描かれたのは昭和9年(1934年)この形のものは、無水ガスホルダーと呼ばれ、内部には落し蓋のような円盤状の板があり、ガスが送られてくると板が上昇して空気と入れ替わりガスがたまる仕組みです。有水ガスホルダーと異なり、内部の板には精密な動きが要求されます。

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次も昔のガスタンクみたいです。これは千住工場のガスタンク街。昭和5年(1930年)このたいぷのガスホルダーを有水ガスホルダーといいます。かつては日本のほとんどのガスホルダーがこのタイプでしたが現在は球形のものに変わっています。

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ガス灯点燈

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穴の一杯開いている口からガスを噴出して点燈する、広告の飾りのような存在だろうか。いま行くと点燈の実演をやっています。さらにエジソンの当初のフィラメント電球と最初のガス灯との明るさ比べなど面白い点燈実演も見ることが出来ます。

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今日の題は「ガス灯」または「ガス」で行きましょう。皆様もどうぞ。

ガス灯は季語ではないのでほかに季語が必要です。や、かな、けりの切れ字も忘れずに。切れ字は一個。

・ガス灯や銀座の恋は時を越へ(無季だった!)

・黄落の銀座にガス灯ともしけり

・ガス灯や走り続けて喜寿の春

・ガス灯の銀座に雪の積もりけり