映画

●今日は、近くの公民館で自主興行の映画を見てきました。’この世界の片隅に’。昨年各種の賞を取った映画なのでごらんになった方も多いと思います。映画館だと入場料が高いのですが、こういう映画だと少し待てば安く見られます。(1000円)さすが人気作品だけあって、午前の興行は300席満席でした。今日はトータル4回興行ですが恐らく全興行満席だと思います。

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映画のストーリーは、戦時中広島から突然軍港呉の町に嫁入りした主婦の戦時中の日常を淡々と描いたもので、さっと素通りすると退屈といえば退屈な映画に受け取られる。しかし、その戦時中の日常が、70年の平和が続いている現在から見るといかに非日常的な異常な状況であるかを上映時間の2時間をかけてじわじわと考えさせる映画であると感じた。

さてこの映画興行の主催は地元の「九条の会」である。そのことからも興行の趣旨ははっきりしている。つまり反戦ですね。戦争に巻き込まれると庶民がいかに不幸で理不尽な生活苦に陥るかの例示です。だから、こういう事態に陥るのを避けよう・・。ここまでは心から賛同します。

では、どうすれば避けられるか。ここからが現代の我々が真剣に考えるべき問題ですが、おそらく明確な論理的正回答はないでしょう。つまり、こうすれば絶対に回避できるという方策は発見できない。しかし、何らかの方策は取らねばならない。その意味では大きな賭けに直面しているといえます。

平和憲法を尊重して丸腰になる。最小限の自衛の軍隊は有する。普通の国のように軍隊を持つ。通常兵器に加え核兵器も持つ。等々いろんな方策の選択肢があります。ではどの方策をとれば、この映画のように庶民が不幸にならないですむのでしょうか。これはもう賭けとしか言いようがない。

●もうひとつ重要な映画があります。今日会場でチラシをもらってきました。戦時中治安維持法で拷問死した小説家小林多喜二の母の視点から描いた映画です。こちらのほうが恐らくインパクトがあると推察されます。「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いてころされるなんて・・」

原作は三浦綾子さんの小説。

最近成立したいわゆるテロ防止法が現代版治安維持法に変身しないことを切に祈ります。なにしろ簡単に化けますからね~。監視が必要です。

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