2018年春近詠

2018年3月~4月近詠

山笑う国会の嘘こだまして

じっと待つ銭湯の客春時雨

レストラン女ばかりの春うらら

春のカフェ向き合う椅子の老夫婦

海風に桜吹雪となりにけり

陽を浴びて白さなお増す辛夷かな

ほろ酔いの花降る宵の名残惜し

水彩のグループ展や木の芽風

廃校に辛夷の蕾二つ三つ

万緑に染み入る音やオカリーナ

妖艶に清らに紅し百合の花

さらさらとはもる瀬音や早春賦

春の宵優しき笛のコンサート

如来像守る桜の枝垂れけり

大欠伸何処の空も弥生かな

喜寿とても常の年なり目刺し焼く

さりげなく雑草の中蕗の薹

春暑しどっと繰り出す白マスク

山寺にお国訛りと聞く初音

寝ころべば森のささやき木の芽風

これは去年の今頃の写真ですが、今まさに桜に呼応して巨大な辛夷が今年もこの通りに存在しています。桜よりもはるかに凄い存在感。

f:id:recoca1940:20180324135809j:plain