続・健診

●算術の典型は高血圧への薬のようです。

「健康診断を受けてはいけない」近藤誠著には次のように記されています。

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1970年代、血圧正常値は自分の年齢プラス90だといわれていた。これはある意味合理的である。老化に対処した血圧だからである。つまり血圧の基準値を決めるなら年齢に応じて決めるべきである。ところがWHOは1978年に全ての年齢の基準値として160/95を採用した。(詳細は省くが)その背後にはWHOが依存する製薬会社がいた。この基準値を正当化するデータや試験結果はもちろんない。さらにWHOは1999年に140/90という基準値に改定した。この決定に対して、58か国1000人の専門家が異議を唱え署名反対したが変更されることなく世界に拡散した。その結果米国では降圧剤売り上げが5年間で5倍に増え大いに潤うこととなった。

しかし、この新基準値を正当化するデータはない。それどころか薬で血圧を下げるほど死亡数が多くなるという試験結果なら存在する。

欧米には上の血圧が200未満で、平均血圧が160~170の人たちへの比較試験が3件ある。結果は、降圧剤グループとプラセボグループ群の総死亡者数に変わりなかった。結局、160/95も140/90も基準値として不合理。薬で厳格に下げると病気になる。

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●この本を読んでいて気になったもう一つの検診の謎

なぞというか矛盾です。

基準値の決め方なんですが、健康な人の数値を順番に並べて大小それぞれ2.5%カットした範囲を正常値とするのだそうです。そうすると、健康な人でも5%は異常判定されてしまいます。もっとおかしいのは基準値策定に貢献した健康な人の5%は、翌年健診を受けると必然的に異常者とされてしまうことです。変な矛盾だと思いませんか。

もし検診を受けて、基準値ぎりぎりの数値だったら余裕をもって受け取りましょう。範囲の数字を1でも超えると異常判定を出すコンピューター診断は無視して。

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・紫陽花を巡りて心万華鏡

・嫌われていじめ悲しき油虫

・愛知らずいずこへ走る油虫

・人亡くば我が世の春ぞ油虫

・一撃で足るミサイルも原発

・映画祭カンヌの空は五月晴れ