「君を愛す」ベートーベンの歌曲

RECOC演奏の2018年クリスマス曲第2弾は、ベートーベンの歌曲「君を愛す」です。ベートーベン25歳の作。

あのいかついベートーベンにもこんな可憐で優美な歌があることにびっくりされると思います。この曲は、ベートーベンの歌曲の中で最も親しまれ、多くの歌手が歌っています。詩はヘロゼーの「優しき愛」から採られています。

「夕べに朝に 一日として君と僕 二人が憂いを分かち合わない時はなかった。」今回私はテナー(テノール)リコーダーという、アルトの一回り大きいサイズのリコーダーを使っているので、これまでアップしたリコーダーより低音に聞こえると思います。

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ところでこの曲にはRECOCAにとって、ちょっとした思い入れがあります。この歌を初めて習ったのは高校2年の時でした。それは選択科目の音楽の時間の時で、教えてくださったのは非常勤講師の地元音大の先生。授業ではポピュラーなクラシック歌曲をいくつか教わり、最後に好きなのを歌ってみろと言われてそれが期末試験になりました。RECOCAは確かこの歌を選択した記憶があります。結果はなんと非常に褒められて、その学期、音楽が全学科中の最高点になりました。(その時の成績は点数表示だった)プロの音楽家に褒められたのは、70年以上生きてきて、後にも先にもこの時だけです。60年経っても、この先生の名前は忘れてないですね。3日顔見なければ人の名前を忘れる昨今の年になってもです。逆のことは無数にありますがそんなことはきれいさっぱり頭の中からクリアされている。不都合なことは脳にとどめ置かないというのは、生きるための有効な技術だといわれますがまさにそれです。子供やアマチュアの指導は褒めるのが基本というのもうなづけます。ただし、プロの卵の教育はこの限りにあらずですが

余談ですが、プロの画家にも小5の時非常に褒められた記憶があります。なんということではないのですが、図画で空の色を紫に塗りたくったことがあります。当時は病弱で神経質な子供であったことが原因かもしれません。先生は、この絵を見て突然驚き非常に褒めてくれました。この方は後に上野の春陽展とか構造展に入選する先生なので単なる気まぐれではなかったとおもいますが、私にはなんでこんな空を褒めてくれるのか、その理由は分かりませんでした。しかしとにかくも、いわゆるプロの芸術家に褒められたのは以上の2回のみだから、本人にとっては得難い宝なんでしょうね。もちろんこの画家の先生の名前もしっかり記憶しています。

最後に蛇足ですが、この曲「君を愛す」は雰囲気が「北の国から」に似ているというネット記事を発見しました。いわれてみるとそんな気もする。しかし、楽譜を比べてみましたが音符上はあんまり似ているとは感じませんでした。あくまでも雰囲気だけです。

それよりもそっくりなのがあります。下の画像をクリックしてみてください。NHKの今日の料理のテーマ曲。これは1901年に作曲されたスウェーデン狂詩曲の出だし部分と瓜二つ、曲想だけなんて生易しいものじゃないです!しかし、印象的なメロディが潜在意識に残っていて、自分の作曲に出てしまうなんてことは悪気はなくても起こりうることと思います。これは俳句でも同様なので、俳句初心者には最初に注意されます。人の句をメモしたら、その作者名を必ず付記しておくようにと。そうしないといつしか自分の句と勘違いするようになったりするからです。

御身を愛す(君を愛す) Ich liebe dich ベートーヴェン歌曲