♪翼をください

今朝の曲は、翼をください。赤い鳥というフォークグループの歌ですからもう50年くらいになりますか。もう懐メロの部類ですね。最近老人施設でやったら大勢口ずさむ人がいてびっくりしました。

まずは、RECOCAのオカリナでご視聴ください。

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今日なぜこの歌にこだわったかというと、卒業式にうたわれる歌だからです。明日は新元号の発表、つまり実質的に平成の卒業の日になります。朝日新聞Be版読者1543名のアンケート心に残る卒業式ソングランキングが載っていました。ただし、正確には「卒業式や卒業シーズンに学校で歌われる歌」ランキングです。それによるとこんな結果になるそうです。

1.仰げば尊し、2、蛍の光、3.贈る言葉、4.卒業写真、5.なごり雪、6.翼をください、7.旅立ちの日に、8.卒業、9.さくら、10.時代、11.手紙、12.YELL,13.卒業(尾崎豊)、14.想い出がいっぱい、15.制服、16.夢をあきらめないで、17.栄光の架橋、18.3月9日、19.空も飛べるはず、20.BELIVE

何曲ご存知でしたか。RECOCAの年代は確実に1と2だけでしたね。それもそのはずで、こういう歌はフォーク台頭と期を一にしていますから、昭和40年頃以降に小中卒業の方々中心でしょうね、これらの歌が卒業シーズンの思い出として結びつくのは。そこでRECOCAがこの中からピックアップした曲は、翼をくださいなごり雪、BELIEVEです。順番にやっていきますが今日はまず翼をください、でした。

翼があったら何がしたいですか。RECOCAの出来もしない模範解答は「翼があれば、東に行って病気の子供を看病し、西に行って疲れた母を助け、南に行って死にそうな人に怖がらなくてもいいといい、北に行ってけんかや訴訟はつまらないからやめろといいたい。」

●俳句の妄想

元号が出てくるといよいよ昭和が遠くなりますね。言ってみればかつて昭和生まれの我々が明治に抱いていたノスタルジックなイメージのようにです。明治を懐かしむ有名な句がありますね。

・降る雪や明治は遠くなりにけり

これをたとえば

・散る花や明治は遠くなりにけり

としたらどうでしょう。(花とは俳句では桜のこと)両者の違いわかりますか。後者の句の上句には花つまり桜がありますが、桜には、名句(さまざまのこと思い出す桜かな)に見るように、過去を懐かしく思い出すというイメージが定着しています。ということは後者の句の上句と下句は同じようなイメージの語だということになります。こういう状態を「付きすぎ」といって俳句では嫌われるのです。これにたいして、降る雪と明治を懐かしむことは語句の上で何の関連もありません。しかし、俳句として鑑賞するとあたかも化学反応を起こしたかのように望郷の念が生じてくるのです。これが不思議なところで、俳句の醍醐味といわれています。多分「や」の効果が大きいのでしょうね。この辺のところを芭蕉はうまいこと言っています。「○○やと言ったら、○○のことは忘れなさい」、という言い方で教えています。つまり無関係のことを持ってきたほうが名句になる可能性があるわけです。ただし、たいていはあまりにも無関係すぎて支離滅裂な句になりますが。(この状態を「離れすぎ」といいます。)

散る花や昭和は遠くなりにけり、はだめだが、菜の花や昭和は遠くなりにけり、は一応OK。

付きすぎ離れすぎに関する冗談でこういうのがあります。どんな季語でもよいから、そのあとに「それにつけても金の欲しさよ」とすれば、あら不思議心打つ俳句になる。本当?嘘?皆様も試してみてください。

・菜の花やそれにつけても金の欲しさよ

・花咲くやそれにつけても金の欲しさよ

冗談はこのくらいでまじめな話、こういうのはどうでしょう、いちおう「付きすぎでない」という条件は満たしています。

・菜の花や香る味噌汁具沢山

・菜の花や今日は天むす名古屋飯