医者が医者に楯突く(患者の味方の医師)

●猫ちゃんとワンちゃんに教わろう

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●今日は終戦記念日

天皇陛下のむにゃむにゃ~の終戦宣言のときの自分の周りの人の様子については全く記憶にない。鮮明に記憶があるのは、①伊勢湾の自宅の海岸のはるか対岸の名古屋市が盛大な空襲で仕掛け花火のように見えたこと。②自宅から100m位のところにあった水上飛行場が機関銃照射を受けたときの強烈な銃声。押し入れに隠れて聞いていた。当事の銃の銃声は本当にすごかった。

●時々私は日本の医療や医師について生意気なことを書いているが、思い込みで書いているのではなく、根拠となる出典に基づいている。今日ここで紹介するのはもっとも本質を突いていると思われる書物から。これは、日本で開業している医師本人による日本医学会への批判だからこれほど確かなことはない。ただしこれができるのは、著者が米国での医師の経験があるからである。島国にどっぷりつかっているだけの医者に分かるかどうか。保身に窮々とするだけで。その本のカバーは以下の通り。

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以下内容の正確性を期するため、本書13~24頁転記させていただく。これを読むと、この国の医師たちは善人に違いないのだが、システムが悪いために善が貫けないという国の医療環境が理解できると思う。国民皆保険は評価できるが、医療先進国といえるかどうか考えたほうが良いと思った。

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はっきり言おう。問題は人の命を預かる者としての医者のモラル、技術、知識などのレベルの低さにある。そして、これらの医者をどんどん増やし続けていった張本人は「医師会」と「国」である。

日本の医師会は明治に創設された当初から一貫して利益団体であり続けている。薬価の差益、検査を増やし保険の点数を上げて儲けようなどと、どうしたら自分たちの収入がよくなるかだけを考え続けている。さらに悪いことに、何も勉強しようとしない、どうしようもない医者にレベルを合わせて、低レベルの彼らでも高収入が得られるシステムを作り上げてしまった。日本の医師会にとっては病人がどうなろうと知ったことではない。最低レベルの開業医でも儲けられる仕組みができればそれで十分なのだ。医師の行った検査、手術、投薬はすべて点数となって加算され総計を請求して支払われる。その行為の目的、失敗の有無は問われない。失敗すれば2回、3回と請求できるから、出来の悪い医師ほど点数が高く請求でき儲かる。

本来の医師の在り方とは、常に自らを研鑽し、進展し続ける医療技術に対応しつつ、診断・治療能力を評価してもらうことにあるはずである。ところが医師会は「何の勉強もせずただ金もうけに執着するような医師は少数である。」として問題点に蓋をしてきた。

医師免許は更新制にすべし

ではどうすればよいか。チェックのため最も有効なのは医師免許の更新制であることは明らかだ。アメリカでは二年ごとに更新しなければならない。となればアメリカの医者は毎日勉強し続けなければならないし、安易な診療姿勢は許されない。それが日本では、一度取得したら生涯有効である。これでは戦前に取った運転免許で最新式のレーシングカーを乗り回しているようなものだ。医療事故が起こらないわけがない。恥ずかしいことに文明国で更新制度のないのは日本だけである。

なぜこのような理不尽なことが起こるのか。かの医師会が厚労省に玩として楯突き突っぱねているからである。政治家も医師会を敵に回せない事情がある。だったら国民が選挙を利用して議員に要求を突きつければよい。選挙の時立候補者に「医師免許更新制度についてどう思いますか」「議員立法を目指すつもりはありますか」と尋ね答えを公表するのである。ともあれ医師免許更新制度は早急に法制化すべきである。

形骸化した専門医制度を見直せ

日本の場合、大学病院や一般の医療機関に何年か属していれば自動的に専門医資格が生まれる。こんなケースを経験しましたと申告さえすれば、主治医であったか単なるアシスタントであったかに関係なく専門医として認められる。こんなバカな話はない。アメリカの場合はトレーニングシステムが完備していて少なくも6,7年の厳しいトレーニングが必要になる。その間に出会う症例は数多くバラエティに富んでおり、技術的にも様々な経験ができる。しかも、最新知識が要求されるペーパーテストに合格して始めて専門医と認定される。日本の専門医とはレベルが大違いなのだ。

問題はまだある。日本では開業にあたって診療科目を自由に掲げることができるのだ。例えば病院で外科医だった医者がある日突然整形外科や小児科の看板を掲げて開業することができる。診療科目をどんどん増やしていけば総合医にだってなれるのである。

・・・中略・・・

私は心臓の専門医であり、私も娘も今心臓専門医として研修中である。どちらが診ても保険点数は同じだ。こんなバカなことがあっていいはずはない。なぜそのような理不尽なことがまかり通っているかというと、医師会が最低レベルの医者に収入を保証するためである。たとえば心電図は取りさえすれば一回ごとに点数が付く。正確な診断が下せなくても一回ごとに点数が付く。検査すればするほど高点数になるのである。一回の検査で済むところ未熟なため何回も検査を繰り返す医者がいるとすると、結局そのほうが保険点数が高くなるから儲かるようになっている。つまり、出来の悪い医者ほどもうかるシステムになっているのである。自分から進んで勉強して一生懸命やる医者ほど損をするということだ。

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令和新党やN国党がヒントになる。医師免許更新の一点突破の政党を立ち上げて国会へ議員を送り込めれば国を動かす早道であることが今回の参議院選挙で分かった。これを真似しない手はない。