アレキシル・カレル

1873年フランス。ノーベル医学・生理学賞受賞。1937年の名著「人間・この未知なるもの」訳・渡部昇一

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昨夜民放テレビで透視捜査について放映していた。驚いたのは、一昔前の番組のように靴を履いて痒い足を搔くような透視ではなく、まさにピンポイントの透視が行われていることで、これには深い感銘を受けた。

 

ただ、番組はCMに寸断される作りのひどいもので、もっといけないのは素人の何も知らない俳優と科学教に犯されたタレント識者をコメンテーターに出していたこと。雑音なしに事実を淡々と伝えれば素晴らしい番組だったのに、民放の超えがたい限界を見た。素材が超一級品だっただけにかえすがえすも惜しかった。

 

 

さて、本論に入って表題の名著。じつはカレルが素晴らしいのは唯物論全盛の当時(1937年)、その思想は間違いであることを著書の中で明言していることである。いわゆる物質科学しか信じない人を、新興宗教にたとえて科学教信者と揶揄している。

 

カレルの言葉に耳を傾けてみよう。

「物質と精神を異質のもの、ふたつの異なったものと考えるデカルト二元論は間違っている。したがって、物質重視の科学は間違いである。」

「透視とテレパシーは重要な科学的観察対象である。超能力、心霊学の研究も、同じことである。科学者は、それが正統的でないかたちをとるからといって、驚いてしり込みしてはいけない。」・・・・