地震

久しぶりに首都圏揺るがす震度4の地震。大きさも、マグニチュード8.5という驚くべき規模。これは、4年前の東北地震に匹敵する超巨大地震だ。それがほとんど被害をもたらさなかったのは、その遠い震源距離のせい。

ほとんど地下600kmという途方もない深部で発生したために、被害をもたらす短周期の揺れが波動の伝播途中で吸収されてしまった結果である。

TVで震度分布を見ていて一つ分かったこと。

都心や千葉県の震度が4だったのに較べ、多摩西部や埼玉県での震度は3。これは何を意味するか。震源が600kmと深いので、両地域への震源距離はほとんど同じ。なので、震度の違いは純粋に地盤の揺れやすさの違いとみてよい。やっぱり都心の沖積層埋立地はこの程度に危険なのだ。

超巨大地震にもかかわらず、震源が超深部とは、本当についていたとしか言いようがない。もし、4年前のような震源の浅さだったら、太平洋岸のほとんど全てに10m超の巨大津波が来たはずだ。それで、太平洋岸の原発全ての危機管理状況がいっぺんにテストできたはずだった。これは言うは安しの危険な想定だが、部屋でぐだぐだ会議しているより一目両全、一瞬で白黒が付く。そして、日本列島が没落するかどうかも。

それともう一つ、いまのところ超ラッキーなことがある。それは富士山がまだ噴火しないこと。過去の日本や外国の巨大地震を見て分かるとおり、火山の大噴火を伴うことが多い。時期は、地震後の数年以内のことが多い。2011年東北地震から4年経過した。がんの再発時期みたいにどきどきさせられるが、まだ安心宣言の時期ではないだろう。

きのうの首都圏の電車の混乱を聞いて思ったのだが、震度4くらいでこんなにおたおたするようでは、地震国日本の名がすたる。もっとルーチンワークとして線路の点検作業くらい迅速に出来ないものだろうか。雪国では、雪が降っても平然としている。それと同じように。

・夏の夜やオリオン曇り地震(ない)ふるう

俳句用語で地震を「ない」ということを初めて知った。