「人の役に立つ」

昨日の朝日新聞コラム「折々の言葉」

f:id:recoca1940:20151226093411j:plainこれは意表をつかれた。

確かに生存している限りは、何もしなくても飲食、エアコンが必要で、その結果金銭の出費が生じるから、流通の活性化という点で世の中の役に立っているわけである。

その上何かをした人は、悪人であろうと何であろうとさらに世に貢献している。それもでかいことをしでかした人ほど流通の波及効果が大きい。

例えば、パリのテロ犯。被害のマイナス面は甚大だが、他方、多数の警察、マスコミが動き、瓦礫の片付けなどの流通活性化の効果はかなりのものだ。

ただ、この考えは川柳的には卓見だが、まじめに考えれば、言うまでもなく重大な見損じをしている。

「人の役に立つ」を定義するには、お金の勘定を越えた視点が必要だからだ。

ボランティア笛の調べを花束に

除夜の鐘生き長らえて柚子の風呂

柚子の風呂明日も生きるか除夜の鐘

鐘鳴るや底なき闇に寒昴