熊本地震の震源は非常に危険な場所に位置している。ごく近くを、日本を縦断して関東まで延びる「中央構造線」という大断裂帯が走っているからである。現在までは余震の震源域が南西に動いてきているとのことだが、もし北東に動いて海を越えていくようなら、大変なことで、中央構造線がらみの巨大地震を覚悟しなければならない。(M=8クラス)
次の絵をよく見てください。
北東の延長線上に、四国の伊方原発、南西の延長線上に九州川内(せんだい)原発が見事に鎮座している。川内原発は休止後昨年から稼働中で、伊方原発は3号機の再稼動申請中である。(1号機廃炉作業中、2号機休止中)
原発は活断層真上や近辺には作らないのが原則だが、なんでこんなことになっているのか。
中央構造線は何千万年も昔の日本列島生成期の古い古い断層で、いまや死に絶えた断層の残骸と思っているからである。実際伊方原発審査のとき、地震学者の安全のお墨付きを得てゴーになったらしい。しかしこれは安易な結論だった。建設終了後になんと近傍に2千年間隔の巨大地震の可能性のある活断層が発見されてしまった。
どうも地震学というのは信用できない。中央構造線近傍にはぐさぐさの断裂があると思ったほうが間違いないらしい。それがうごくかどうかは神のみぞ知るである。
伊方原発の所在地が怖いのはそれだけではない。例の南海大地震の震源域に取り込まれてしまっているからである。このときは大振動に加えて一瞬で20mの津波が来る。制御棒を抜いている暇が無いのではと危惧する学者も居るくらいだ。
一方川内原発のほうは、これまた建設時には無地震地域との触れ込みだったのが、なんと稼動後震度5強と6弱の大地震の洗礼を受けてしまった。地震学者のいうことは宛てにならぬことを肝に銘じておくべきだ。
だから、そこまでの強度のあることは証明済みだが、震度7とか大津波のときどうなるかは大いなる未知数。
これだけのリスクを背負いながら国も電力会社もなぜそんなにはっちゃきになって原発をやりたがるのか、よっぽど利権がらみのうまみがあるのだろうが、下々にはどうもよく分からない。ただはっきりしているのは、福島のように失敗しても電力会社は国の支援と電力料金への上乗せで倒産しないということである。
電力利用者はいい加減子々孫々の利益に思いをめぐらせて、原発の電気を買うぐらいならローソクでいいとはっきり意思表示すべきである。