人工知能(AI)・2

BS世界のドキュメンタリーの中でのナレーションは非常に印象的でした。

 

「AI(人工知能)の進化によって機械の性能は上がる一方で、従来人間にしか出来ないことが機械で出来るようになりました。その限界は見えてきません。近い将来、機械でも出来る仕事をしている人は生計を立てるのが難しくなるでしょう。自動化で一番得する人は誰でしょう。労働者への保障は?自動化は緩やかに進むのか、急速に進むのか。」

 

まず、どんな職種が自動化され消滅するのか。

ここ20年以内に、ホワイトカラーを含め約半数の職種が機械に取って代わられると予測されています。具体的にどんな職種か、朝日新聞付録Globeによると次のように記されています。

 

なくなる仕事=(一般事務員、受付係、警備員、建設作業員、自動車組立工、スーパー店員、測量士、タクシー運転手、宅配便配達員、ホテル客室係り・・)、

残る仕事=(医師、映画監督、観光バスガイド、ソムリエ、美容師、保育士、教員、音楽家、理学療法士、画家など芸術家・・)。会計士や弁護士も多くの部分が機械で肩代わりされるといわれています。要するに、人との係わりや創造性の希薄な職種は全て機械に取って代わられるということです。

上記TV番組では、AI機械化先進国米国の生々しい状況を紹介していました。かつては製造業の拠点として栄えていた街が、今では空きビルだらけで貧しい失業者の巣窟になっている。人件費の安い国への移転やロボット導入による自動化が原因です。

その結果会社勤めのサラリーマン的な働き口が減少した結果、米国民の働き方が個人企業の形態(フリーランスの形態)に大きく様変わりしてきています。フリーランスの割合は全労働ものの3割にも達している。間もなく4割になる勢いだそうです。

 

このようにうまく起業できる人、つまり企業家精神の才能ある人はいいのですが、問題は落ちこぼれた人(正規の会社勤めの口もなく、企業も出来ない)が大勢出てくることです。

AIによる自動化で間違いなく社会は裕福になります。

しかし、ほうっておくとその富は1%の富裕層に沈殿したままになる。これをいかにして広く国民に分け与えるシステムを構築するかが国を安定的に保つ条件であると番組では強調していました。

 

米国で起こっていることはいずれ日本でも起こると思わなければなりません。心して迎え撃つ準備が必要です。