精神のサプリメント

暑いので昼寝の句からスタート

フィヨルドの旅へ誘い(いざない)大昼寝

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昨日は肉体のサプリメント、にんにくのお話でしたが、今日は心のサプリメントについてです。

①耳からのヒーリング・ヒーリングミュージック

ありとあらゆる題材やテーマでこの分野は大繁盛です。波の音、鳥、虫の声、小川のせせらぎ等々はいわゆる音のスペクトル1/fの揺らぎですが、高周波域を利用した脳の活性化とか、純正律調弦された音楽とか正に百花繚乱。

そこにまたまた私の知識の引き出しを豊かにする一頁が加わりました。

「528ヘルツの音」

ためしに528で検索してみてください。一杯出てきます。この周波数の音は心を静め、ひいては病気を癒す効果があるそうです。

いつもオカリナ伴奏を作曲、演奏CDを購入している中北音楽研究所のピアノ演奏家中北氏から乾坤一擲、528ヘルツの音をふんだんに使ったピアノのヒーリング曲を作った、というメールが昨日来ました。実はこのメールで、世の中528ヘルツで盛り上がっていることを知った次第です。

ためしにこのCDを買ってみる予定ですが、好奇心旺盛な読者も話の種に如何でしょうか。詳しい説明は「もっと見る」をクリックすると出てきます。ほかの音楽で無料ダウンロードできるサイトもあるようです。

https://www.youtube.com/watch?v=gS-shlhio9s&feature=youtu.be

②目からのヒーリング・・詩・・

はてなの住民だったら、スフレさんのサイトに行けばふんだんに癒し効果が得られますが、私は20年前から愛読している詩集があります。わたしはこういうものを読んで感動に打ちのめされることはめったに無いのですが、このときは違いましたね。誰にでも分かる平易な言葉、簡単なレトリックで人に感動を与える詩歌はそうめったにないと思います。確かに詩の完成度という点ではいまいちかと思いますが、そんなことは問題外の外と思いました。

「静かなる夜明け」竹内てるよ詩文集 月曜社

アマゾンで一冊だけ現在在庫あり。

私の好きな2点を紹介します。

時が過ぎ去っていく悲哀をしみじみと感じます。

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ひとりの時

くれなずむ窓の下にすわって

じっと いつまでも ひとりでいる

その静かなる時が 私は好きだ

一日の仕事も かきものも終わって

新しい花など 花さしにさせば

花のむらさきから 静かに夜が来る

じっとすわってひとりのときほど

最も大ぜいの人間であるときはない

私は他人の不幸を自分の身内に感じ

ひとしく自分の幸せを他人の上にうつし

その血を同族のために流す

それほど高められたわけではないが

決して孤独ではない

 

くれなずむ窓の下に一人すわって

もし それが雨上がりでもあれば

霧は ほのぼのと 北から暮れる

宿望を胸にくりかえすまでもなく

乏しい生活の借銭の申しわけも思わず

無心に 風に揺れる白萩の枝を見つめる

こんなときほど 幸せのときはない

世界は私の中にひろがり

生き 且つ働きつつある人々と私

他人の屈辱に耳まで赤らめ

自らの安静を人のためにわかつ

そのときほど謙遜で大ぜいのときはない

 

人のために死ぬと大言はしないが

水のように心は静かに深みまさり

一人のとき そして最も大ぜいのとき

世界の切望は ひそかに胸に鳴って

ああ 私は こんな時が一番好きだ

たとえ その放言を千人が笑っても

ただひとり その涙をしればよい

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秋来る

空につばさの白いわたりどりが

ひっそりとわたってゆくころになった

日にまし 冷たい風に

犬たでの花が咲いてゆれる

 

亡き祖母の形見の花筒を出して

ひとりしずかに桔梗の花をいけていると

暗い部屋の中に濃いむらさきの花は

歴史が残した数々の女性のように深い

 

ああ今年またしずかに秋が来る

私はなに一つしてはいないけれども

心だけは 清くこの一年を生きた

 

空が美しく晴れた日がつづく

とおい地平線のうろこ雲

すすきの銀 かやのみどり

 

黒髪を解き ひとりたそがれの部屋にいると

月は東方の森に明るい

その深くうるわしき光には

永久の物語がある

 

ああ 今年また秋が来る

私は何一つ出来ないけれども

心だけは 乱さず生きようと思う