俳句の復習

早朝、東の窓から冷風が吹き込んだら、その日は涼しい。今朝は正にその日。案の定ローカルの予報はMAX26度。

俳句講座終了して忘れそうなので復習するので、よろしければお付き合い下さい。講座テキストは3部構成の大作だが、つまるところ以下のところをマスターすれば、今日からあなたも私も俳人です。悩みすぎて廃人にならぬようにしましょう。俳句の形式には、取り合わせ一物仕立てがあり、これ以外の形式はない。

1.取り合わせ、こそ俳句の面白さ

芭蕉「俳句とは、取り合わせるものである。ふたつの異なる素材を取り合わせて、うまく取り持つことが出来る人を上手な人という。」

この取り合わせは、掛け合わせとも言う。

例句 菊の香や奈良には古き仏達 芭蕉

菊の香ー仏像たち、この直接関係のないふたつの素材のそれぞれが活かされながらも、一つの見事なイメージの世界が生み出されている。常識とは異なる二つの素材の意味の上での隔たりが句の魅力。これを子規は配合といい、別の俳人は二物衝撃といった。イメージとイメージのぶつかり合い。

2.一物仕立ての句

一つのもの(一物)について一気に詠む。一句の勢いが命である。一物仕立ての句は詠みやすい反面、安易な句になりがち。

例えば、ダメな例 菊白く咲かせみんなに自慢せり

⇒言葉選びが雑。

こういうのもダメ 菊眺め時を忘れて震えけり

⇒事実の報告、感動の押し付けになっているから。

良句 しら菊の目に立てて見る塵もなし 芭蕉

(今咲いている白菊には目に止まる塵がひとつもない)

注意

説明してしまってはいけない。これが初心者には非常に戸惑う点だと思う。どの辺まででやめたら良いのか程度が分からない。先生に指摘してもらわないと会得できない点です。

どれほど見たもの聞いたものへの感動を詠んでも、そのことの説明だけに終わっている句は魅力がない。つまり、一人合点はだめ。「私は感動しました。」と説明されればされるほど、読者は鑑賞する手立ても気力も失ってしまうことに留意すべきである。花の美しさを詠んだとき、美しさのほのかな余韻、余情が伝わってくるのが良い句。表現が説明的でくどいと、せっかくの花の美しさも香りも飛んでしまって伝わってこない。

・夏草や薄れし記憶震災忌

・窓開けて教会の中風凉し

・単線のひと駅ごとの虫時雨

・家の窓キャンバスにして夕焼ける

・山小屋の窓したたかに野分かな

1、2句⇒取り合わせ、3,4,5⇒一物仕立てのつもり。