新聞から

俳人金子兜太氏がなくなった。98歳とのこと。朝日俳壇選者としてお馴染みだった。前衛俳句の重鎮。新聞に載っていた代表句「銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく」、「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」、「おおかみに蛍がひとつ付いていた」。

最初のは分かるが、2句目と3句目は???。でも、金子氏執筆の子供とか初心者向けの本を見たことがあるが、ごく普通の句も詠まれる。ピカソが具象画の大家でもあるのと同じである。

一般に現代の俳人は長寿だ。俳句作ってうんうん唸って推敲することは、計算するより前頭葉の体操になると本に書いてあったので、それが長生きでしかも健康寿命を延ばすのに貢献しているのではないかと思える。

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朝日俳壇には毎週5000通の投句はがきが来るそうである。それを金子氏はじめ4人の選者が新聞社に集まって一日かけて10句づつ選句する。一日5000句ですよ。考えただけでうんざりしそうだけれど、これを1987年から現在まで30年続けてこられたのだから驚くべき忍耐力だ。私も数回投句してみて歯牙にもかけられなかったが、一応全句じっくり見ておられるそうだから、駄句とはいえお目をけがしていることは確実のようである。そうおもうと一応すっきりとあきらめがつく。

・俳壇の灯落ちて烏賊の嘆きかな recoca 

前衛句もどきのつもり。