信じられない医療。これが許されるのも日本なのです。

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~士とか~師とつくいわば国民をリードする立場の職業には厳しい倫理観と監視罰則が必要である。残念ながら日本においてはゆるゆる。それをいいことに悪徳行為で跋扈する~師、士が少なくない。また医師の悪徳行為の例。前回紹介した医者の書いた本で目を疑う事例が載っていたので、これもほぼ原文通りに抜き書きして参考に供したい。これは、有無を言わさず病気でもないのにちょっと動悸がするといって訪れた患者にこのままでは死ぬよと何時間も脅し続けてペースメーカーを埋め込むという信じられない医者が実際に存在するという話。ペースメーカー業者からのリベート目的の行為である。さすがに摘発されたが、単なる大阪府の保険医はく奪だけの罰則で医師免許は健在、刑事罰もなし。驚くべきことに日本の法律では大阪以外に行けば保険医は取れるというから、すぐにでも法律を変えるべきだ。保険医認定を都道府県単位でなく国がすることにすればすぐに解決するだろう。埼玉でも未熟な医師が手術で何人も患者を殺した事例があった。その病院にはいたたまれなくなって他県に行ったが何食わぬ顔で開業しているのだろう。著者の医師は「手術といわれたら必ずセカンドオピニオンを」と警告しておられる。

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以下上記の本より引用抜粋

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世の中には悪徳医師としか言えないひどい医者もいる。かつての私の地元大阪にはこんな医者がいた。病院に来る患者に何か適当な病名を付けては次々ペースメーカーを埋め込んだというとんでもない医者である。当時のペースメーカーは、一台埋め込むと販売会社から20万円ちかくのリベートが入るようになっていた。それで次から次へと埋め込み手術を続けたのだ。何しろ年間何百例を数え、摘発されるまでに稼いだ額は、保険収入以外にリベートだけで何億円にもなったというのだから全く許しがたい医者である。いや、医者とは呼びたくない人間の屑だ。私のところに、セカンドオピニオンを求めて訪ねてきた患者さんが何人もいた。「ペースメーカーを入れなきゃ死ぬよ。」とまで言われたそうで、みんな真っ青になってやってきた。診察してみると、心臓にはどこも悪いところはない。それを告げると、本当ですか、やっとほっとしましたといって泣いていた。
悪徳医師は何時間にもわたって、ペースメーカー入れなきゃ死ぬと脅し続けたというから、診察でなく脅迫行為そのものだ。その医者に10年以上前にペースメーカー入れられて以来体がしんどい、何かおかしいといって私のところへ受診に来た患者もいた。その人の話によれば、ちょっと動悸がして心配になって診てもらったら、不整脈だからペースメーカーを入れましょうと有無を言わさず入れられてしまったという。診察してみたらどこも病気はない。体がしんどく感じたのは、ペースメーカーの後遺症だった。必要ないから除去しましょうと言って取り出した。私にとっても埋め込まれたペースメーカーを取り出したのは初めての経験だった。自分と同じ医者が施したとんでもない処置の後始末をするわけだから患者さんには申し訳ないし、悪徳医師に対しては腹が立って仕方がなかった。
その医者は、摘発後は当然ながら大阪では保険医として働けないから、他県に引っ越していった。反省したからではない。場所を変えてまた同じ脅迫行為を始めようとしたのだ。信じられないことに日本においてはそれが可能なのである。実は保険医は都道府県別になっていて、大阪以外に行けば保険医として働けるのである。実際、この医者は私が知っている地方病院に現れた。「大阪大学卒業でいい経歴を持っている医者が僕のところに来たが知っているか?」私のところにさっそく問い合わせが来た。「そんなやつを雇ったらえらい目にあうぞ」私はこれまでの事情を詳しく話した。「やっぱりそうだったのか、なんかへんだとは思ったんだ」だが知り合いの病院を断られてもその悪徳医師はきっとどこかで以前と同じような悪事を働いていることだろう。残念ながら日本の法律では彼の診療行為をやめさせることはできない。