徒然草

700年前既に人生を喝破している。

徒然に図書館でめくってみた。以下に感心した箇所を抜き書きしてみる。現代語訳が分かりやすくて素晴らしい。

絵巻で見る・読む徒然草(上野友愛訳) 朝日新聞出版

芸能を身につけようとする人は、「うまくできないうちは人に知られたくない、ひそかに練習してうまくなってから人前で見せたら格好良いだろう。」とよく言うが、そういう考えではたいてい上達しない。他人の目を気にせず、下手なうちから上級者に交じってけいこに励む人は、たとえ才能がなくても、才能があっても努力しない人を越え、やがて名人と呼ばれるようになるものである。これはどの芸道にも通じることだ。

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これは自分の乏しい経験に照らしても真実を穿っている。オカリナの生徒を見てもそうだし、自分のユーチューブアップ体験にもいえる。素性を隠して出来るので、素人初心者にとってはユーチューブアップは、いわば旅の恥のかき捨てだ。自分でもそう思って2年前に始めた。ところで、ユーチューブではサービスの為か関連テーマの動画が右側の小画面にまとめて紹介される。初心者、劣等感の塊の投稿者にとってはこれはきわめてまずい。一番下手くそなのが一目瞭然に晒されるからである。これを我慢できる面の皮の持ち主かどうかで後の進歩が決まる。白状すれば、幸い自分は面の皮だけは持ち合わせている。しかし、進歩が伴ったかどうかは定かではない。顧みれば兼好さんのおっしゃる通り、匿名ではあるが下手でも人目にさらしてきた。兼好さんのご託宣「やがて名人と呼ばれるようにになる。」を信じて気長に心待ちしよう。