予定表の白紙状態

日々の予定を記入する私の手帳の予定表。4月は結局何もなく完全白紙。こんなことは、手帳を使い始めて50年未だかつてない初めてのことだ。完全な行動フリーの状態。こんなときどうしようか。ほっておいたら凡人の習性としてどんどん怠惰な方向へ流れる。かといって、VIPみたいに克明にいくつも予定を書き入れてもあとでできなくてがっかりするだけだし。どうすれば決めた予定が続けられるか考えていたときに古い資料の中からヒントを発見した。日本画家の千住博氏の書かれた古いエッセイである。これは何十年か前朝日新聞売店が購読者におまけとして配布した同氏プリント絵画24枚のそれぞれの裏に書かれているもの。画家の日常は基本的にフリーであり予定は何もない。まさに私の日常と同じだ。それで千住氏はどうしたかというと、ただ一つの、しかもそれは自身にとって最も本質的で重要なことを課した。それは何があろうと朝7時にアトリエに居ること。それを続けていれば、無理と思えたことでも自然と何とかなっていくものだ、と書かれている。

自分に取って本質的で大事なことをただ一つに絞り込んで、それを毎日の予定として必ず行うこと。その何かを発見して決めること、簡単なようで難しいがやってみる価値がありそうだと思った。

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千住博氏のエッセイ。

「これも才能のうち」
画家の毎日というものには予定は何もありません。
ですから画家の才能のうちには計画を立ててきちんと実行するという能力が求められます。そうでないと、学校を出てカリキュラムもなくなり、描いたからと言って生活費が入ってくるわけでもない、
となれば自然と描かなってしまうものなのです。
アルバイトが忙しいとか、描かないための言い訳ばかりがいっぱい出てきて、さもそれが当然のような気に自らをさせてしまい、ついには一歩一歩アートシーンから遠のいてしまいます。
どんなことがあっても朝7時にはアトリエにいる、ということを私が大学を出てからずっと続けているのは「これも才能のうち」と決めているからなのです。
そうしていくうちにうまくいかなかったものも自然となんとかなっていくものなのです。

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千住氏の日本画