楽天的に生きよう

「バカは風邪をひかない。」
あっ、高級市民の私としたことが下品な言い方で大変失礼しました。
お上品に言い直します。「能天気 and/or 悟った人は風邪をひかない。」⇒(もっと上品に言い換えますと、能天気でなく楽天的。)
というようなことを古来言われてきましたが、「免疫」の項目をいろいろ読み漁ってみて、これは学術的医学的にも本当だということが分かりました。ひょっとするとコロナ風邪を回避する重要な格言かも知れません。
人間の免疫機構には強弱2段階あるということご存知でしたか。これが重要なキーワードです。まず、ウイルス、細菌の侵入時に最初に素早く繰り出されるのは「自然免疫」という生来保持している免疫で、具体的にはマクロファージ、顆粒球、NK細胞などの免疫部隊です。この免疫部隊はいわば警官隊のようなもので、異物との戦闘のダメージを殆ど人間に与えません。この段階ですべて退治できればいいのですが、もし手に負えないと判断されたり、実際に異物が体内に侵入しまったら、次の段階の強力な免疫部隊が出動します。これを獲得免疫といいますが、これはいわば軍隊のようなもので戦闘のダメージが著しく人間に響きます。具体的には、高熱、強い痛み、だるさ等々。ですから、何事につけ自然免疫で処理できてしまえば万々歳ということになります。その場合には、ウイルス、細菌と戦ったことすら自覚しないでしょう。これがいわゆる「無症状」の感染です。
高齢者はコロナが重症化しやすいと言われますよね。これは、自然免疫力が年齢とともに劣化するからです。特に70歳過ぎに著しいそうです。一方、獲得免疫は生涯強力なまま。高齢者や病弱者の体力ではその戦闘に耐えられず本末転倒の結果になり易いのです。
自然免疫が劣化する3大要因があるそうです。コロナに立ち向かうにはこれを認識しておくのが重要ではないかと思いました。
①年齢
②不規則な生活(睡眠不足、徹夜、時差ボケ・・)
③激しい運動
④精神的ストレス
年齢はどうしようもないから置いておいて、②は分かりますよね。東西の長距離海外旅行は控えるべきです。③については、運動後の著しい疲労が問題でこの時免疫が劣化する。
実は最大の要因が④精神的ストレスだといわれています。これが最もNK細胞に打撃を与える危険因子であることが証明されています。精神的に落ち込むと、様々なホルモンが影響してNK細胞の活性を抑制するのです。怖がったり、心配したり、イライラしたりするのが精神的ストレスですから、楽天的な性格とか悟った人は風邪の菌に遭遇ししても活発な自然免疫のおかげで無症状、つまり風邪もコロナも発症・発病しないということになります。精神的ストレスを回避するには無理にでも楽しいことをすればよいわけです。作り笑いでも効果あるということも読んだことがあります。
ストレスというのは人や動物に伝搬することが分かっているので気を付けましょう。暗い人は周りを暗くする。家庭環境は特に気を付けなければなりません。面白いのは飼い犬にも伝搬するという実験があります。大きなストレスを抱えている人が飼っている犬のNK細胞の活性が劣化するという結果が出ているそうです。飼い主に似るというのはこんなところからきているのかもしれません。