流石。愛知の堅実ぶりは健在でした。
この記事で話題にしている一宮市は、名古屋と岐阜の中間に位置し、どちらの町にも電車で15分で行けます。一宮市の喫茶店は500店舗。ほぼすべてが個人経営の小規模経営。その店がコロナ禍でも一店の倒産もないというお話です。春先の自粛期は苦しかったそうですが今はかなり客足が戻っている。各店それなりの工夫、例えば、テイクアウトの導入、地元食材の重点的使用などがありますが、大きいのは地元民の喫茶店愛好精神でしょうね。一宮市の人口は38万人ですから、これを500店で割ると760人。つまり一店舗当たりの抱える客は760人に過ぎないわけです。これで倒産ゼロというのですからね、すごい。
喫茶店は名古屋というイメージが強いですが、実は隆盛の発祥地は一宮なんです。ここはもともと織物工業の町で戦後ガチャマンと言われる時期がありました。機織機がガチャンと一声上げれば巨万の金が入る、という意味です。工場は小企業なのでその分静かに商談接客する場が社内になかった。その受け皿として喫茶店がたくさん出来たとのことです。有名なモーニングの発想もこの地から。当時高価だった卵を使ったという伝統を引き継いで今もモーニングに卵は必需品です。喫茶店ランチも800円位で幕の内、とんかつ、ハンバーグにドリンク付きとお得に提供されます。3食喫茶店でという愛好者の猛者も少なくないそうなので、こういうレピーターがコロナ禍の経営を支えているのだと思いました。一方、名古屋市も一宮の伝統を移転して喫茶店文化の隆盛地です。市民一人当たりの喫茶店での消費額について、全国首位を岐阜と競っているとのことです。名古屋を訪れたら、名古屋飯の端くれに喫茶店を入れてみてください。何か感じるところがあると思います。
話は変わりますが、昨夜のエデン。雨にもかかわらず意外や意外、賑わっていました。雨降りなので客がいなくて我々の貸し切りかと危惧していったのですがそうではなかった。考えてみれば雨でもおなかはすくので外出してればどこかで食べます。雨でもなんでもエデンを選んでもらえる客がそこそこ増えてるなという感じでした。エデンは正真正銘の小規模個人店ですから、これがコロナ禍を乗り切ったとなればまさに表彰もの。