シャーロックホームズ

昨日の朝日新聞Be版にシャーロックホームズ物語の愛読読者ランキングについての記事が載っていた。実は私も数ある探偵ものの中で一押しファンなので自然と目に留まった。物語は全編60作品あるそうである。そうするとまだ読んでない、あるいはドラマで見ていない物語がいっぱいあることになる。読者ランキングの結果は次の通り。

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この中で知ってる作品はいくつありますか。私は全部知っています。というのは、今現在NHKBSプレミアムで41作品が連続放映中だからである。(水曜午後9時)これは英国グラナダTV1984年ドラマ化して放映したもので、最も原作のイメージに忠実と言われているそうである。ホームズはこの方。舞台俳優のジェレミー・ブレット。勿論他の俳優も演じているだろうが、私の中ではホームズというとこの人が定着してしまっている。本来60作品すべてドラマ化する予定だったのに、41作品終了時にブレットさん他界してしまったのでそこで終了となった。

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ランキングですが、私は断然赤髪連盟を押します。ストーリーと発想の奇抜さがぴか一。それに殺人がない。一方子供の頃読んで猛烈に怖い思いをしたのはバスカービル家の犬。今回のドラマでは残念ながらそこまでの恐怖は描けていないみたいだった。

 さてシャーロックホームズの生みの親(作家)はご存知コナン・ドイルです。彼は作家である以上に熱烈な「心霊主義者」であることをご存じだろうか。心霊主義とは現代でいうスピリチュアリズムとほぼ同義である。つまり霊魂・死後生存在をベースにした今生の生き方を説く教えである。心霊主義を説く講演のために英国はおろかヨーロッパ各地を旅行してわまった。シャーロックホームズは、講演の旅費を稼ぐために60作も書き続けたといわれている。彼はもともと眼科医でもあったので始めは典型的な無神論者だった。それがなぜ心霊主義者になったのか。それには当時19世紀末の英国の社会状況が関係している。当時米国で勃発したスピリチュアリズムの波が英国にも及び、第一級の知識人も巻き込んだ一種の社会問題になっていたのである。こんなくだらないものは全てフェイクであるという強い信念のもとに降霊、霊媒、引き寄せ、などの実験会のインチキを暴く目的で出席したが、すべて不正無しの結論しか得られなかった。当時のノーベル賞科学者はじめ多くの懐疑論者が不正を暴く目的で挑んだが彼らの結論も全てドイルと同じだったのである。これを契機にドイルは深くスピリチュアリズムの研究に傾倒し、その40年に及ぶ研究成果を書物にあらわすことになる。その翻訳が日本語で出版されている。「コナンドイルの心霊学」新潮選書1992年。私も読んでみたが、非常に広く深い内容で、いろいろな問題をあたかもホームズの如く科学的論理的手法で追い求めていく手法が読み取れて興味深かった。特に次の言葉は現代にも通じる警鐘である。「何事もそうであるが、ある一つのことに凝るととかく全体像を見失う。この場合も、あまり物的証拠に拘って現象ばかり追い求めていると、スピリチュアリズム本来の目的、すなわち来世の存在の確信と現世の生活の意義の理解、そして物質の儚さと目に見えない霊的なものの大切さの自覚という肝心なものを忘れてしまう危険性がある。」

コナン・ドイルは他界後、ご丁寧にも生前の彼の理解の修正のため降霊会に長期間出現している。そこで彼が霊媒を通じて語った内容も日本語訳として出版されている。

コナンドイルの人類へのスーパーメッセージ 講談社1994年

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コナンドイル・生前の研究書

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ドイル死後霊媒を通して語った書

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