心理学その4(認知心理学)60分でわかる心理学から(ニュートン増刊8)

さて、私たちの「損得勘定」の感じ方についてのお話です。

この雑誌の記事によると、私たちは「損する事」を「得する事より」何倍も嫌う傾向があるようです。例えば例題として次のようなアンケートに答えてください。2択です。

あなたは①、②の選択肢があった時どちらを選びますか?

①確実に3万円貰える。

②25%の確率で10万円貰える。

実験結果では8割の人が①を選ぶそうです。高い確率で何もゲットできない事を損と考えるのでしょう。

しかし、これはRECOCAの考えですが、②の確率と金額次第では結果が変わってくるでしょうね。例えば、②25%の確率で1億円もらえる、としたらほぼ100%の人が②を選ぶでしょうね。要するに、数字によってはそのことを損と考えるかどうか変わってくるからです。

次のアンケートはどうでしょうか。

①確実に7万円失う。

②75%の確率で10万円失う。

実験では9割の人が②を選ぶそうです。これは何を意味しているかというと、お金を使わずに済む可能性があるのなら、たとえ多少のリスクを冒してもそっちに賭けようとする人が多いということです。

雑誌の記述によると、上記の実験結果はプロスペクト理論という認知心理学のモデルによって説明できるそうです。そのモデルは次のようなものです。

「人は損した時の衝撃を、得した時の2.25倍強く感じる。」

つまり、1万円の損は2.25万円の得と同じに感じるということです。

そういわれれば自分は確かに典型的に当てはまる。損することが大嫌いなのです。だからパチンコなんか絶対にやらないし、宝くじなんか金をどぶに捨てる行為と思っています。ですから詐欺師に金をだまし取られた時の心理的衝撃は大変なものになるはずだから気を付けましょう。