緩和ケアのお医者さん

緩和ケアのお医者さん、つまりホスピスのお医者さん。動画を見てすごいものだなと思った。巷の普通のお医者さんはパソコン画面がお友達のお医者さん。ホスピスのお医者さんはその対極だと思った。まずは次の動画を。これを見てホスピスというものを見直した。それで市役所でいくつか資料をもらってきた。

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ホスピス緩和ケアとは何か。少し前まではたんに死を迎える部屋と思っていたが、そんな単純なものではなかった。

がんに罹るとその多くは治療の限界を迎える。すると普通の病院はそこで患者を放り出すと聞いている。実は患者にとってその後の肉体的精神的つらさが大変なのにである。それをどこで面倒を見てくれる。それが緩和ケアホスピス。あるいはがんと分かった時点ですべての積極治療を拒否する選択もあるだろう。そういう場合ははじめから緩和ケア病院にかかることが賢い選択だ。

資料を読んでわかったことだが、緩和ケアホスピスの受け入れ対象はがん患者と後天性免疫不全症候群に限られている。病勢が進んで苦しむ病はほかにもたくさんあると思うが現状では対象外である。その意味ではがん患者は恵まれている。

東久米眼にはホスピス病棟はない。しかし隣の清瀬市にはいくつかある。さすが病院の街である。世間一般のホスピスの印象が変われば、訪問医療とか緩和ケアのクリニックや病院の需要は今後急増するだろう。

緩和ケア・ホスピス病院に入院する際、患者個人の死生観が確立していることがその後の精神状態を平静に保つのに決定的に重要だと思う。具体的に言えば死をどうとらえているのかである。これがぐらついているとすべてが不安定のまま推移するだろう。死は全ての終焉と思うのが両極端の一つ。その対極軸は死後も意識がある。(つまり死後魂としての生活がある。)その両極端のうちのどこに自分は立つのか、自分の死が目前に迫る前に絶対にクリアにしておくべきである。これのない終活など砂上の楼閣で無意味だ。

余談だが、超高齢で現役の作家佐藤愛子氏。この11月で99歳になられる。この方のエッセイにはユーモアに包まれた天邪鬼が至る所に顔を出してとても面白く愛読している。同氏の死生観は極めて明瞭だ。こ難しい宗教、哲学などとは一切無縁である。最近ある雑誌に次のように書いておられる。

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死んだら無、死んでも生きる。地獄や極楽から生還した人はいないのでどっちが本当か誰も知らないし分からない。それなら、どちらと思ってこの世で生きたほうが自分は生きやすいかで決めてしまえばよい。それがあなたの死生観になる。私は断然後者だ。