私は二年前の健診から公式の診断は高血圧者となっている。160~170くらい。数か月前、健康雑誌とか以前のNHKTVがってんのDVDのレビューから拾った方法を試したら140~150くらいになった。
でもこういう基準値をベースにした数字を気にすることは全く無意味だと思うに至っている。これは近藤誠医師の著述から学んだ知識である。これに対する納得できる反論を目にしたことはない。頭痛とかめまい、意識障害などの自覚症状のない場合であれば基本的に血圧基準値を意識する必要はないと書いてある。なぜかというと、血圧は必要があってその値になっているものだから。つまり、年齢、性別、体重、塩分、アルコール摂取量、たばこなどに応じて体が自然調整した結果である。年と共に血管が固く細くなるので、脳へ血液を送り込むにはより高圧が必要になるのは理の当然ということらしい。フィンランドの75~85歳の降圧剤を飲まない521人の経過を見た調査ですが、80歳以上のグループでは血圧180以上の人たちの生存率が最も高く、140以下の生存率は非常に低いという結果だった。降圧剤で下げたとき生存率がどうなるかをしっかり調査したデータが少なくとも日本にはないようだ。薬で無理に下げたときのリスク、例えば発がん性、認知症、脳梗塞があり、それら副作用とのバランスで生存率が左右される。
日本の血圧ガイドライン140/90は、北海道と九州の二つの疫学調査に準拠している。その調査では、血圧140/90以上の人のグループは、それ以下の血圧グループに比べて心血管病の発症率や総死亡率が高いことが分かったとされている。しかし、それを降圧の薬で下げると心血管病が減るかどうかの調査がされていないので、薬を使うメリットは不明のままであると近藤医師は述べている。だから血圧が気になる人は薬を使わない方法、運動とかその他物理的方法を採用するべきでしょうね。どんな薬にも副作用がありますから。
高血圧が悪さする確率はどんなもんか。気になりますよね。それについて書かれた面白い本を見つけました。
その「1錠」が脳をダメにする 宇田川久美子
最高血圧175の人と125の人が脳卒中になる確率はどのくらいか。大阪がん循環器病予防センターの研究です。
その結果得られた、千人あたりの年間脳卒中発症者は次の通り。
血圧175のグループ⇒2.7人(0.27%)
血圧125のグループ⇒1.8人(0.18%)
これを見てどう思いますか。血圧175の人でも発症確率はたったの0.27%!
しかし、人数の比率は125の人の1.5倍。倍率だけ言われると、1.5倍発症して大変だと錯覚するが、人数の絶対値は1000人のうち2.7人と1.8人の違いに過ぎません。
これって問題になる違いでしょうか。