どうも次のパンデミックは鳥インフルエンザのような気がする。現在は鳥同士は勿論、鳥から人間を含めた哺乳類への感染が見られる。人に感染発病した場合の致死率は50%だから、現在の新型コロナウイルスの比ではない。まさに往年のペスト並みだ。この数年は東アジア、特にベトナムで猛威を振るっている。同国でWHOが正式に感染死を確認した5人以外にも39人に感染疑いが持たれている。そのうちの10名は死亡。これは鳥⇒人感染で、今の所人⇒人感染ではないが、いづれその能力を持つようになると懸念されている。
1997年に香港で流行したとき、医療関係者の何人かに抗体があり、人人感染を疑うに足るデータであったとされている。当時のウイルスに対するワクチンは存在するがすでに遺伝子構造が変異してしまっているので現在のウイルスには効果がない。
さて、直近の流行例であるが、今春から米国の幾つかの州で乳牛に感染が見つかり問題になっている。さらに7月までに4件酪農場作業員への感染が確認された。乳牛から人への感染は牛乳を介しても起る。実際に、そのような例が米国で報告されている。牛乳中に感染可能な大量の鳥インフルエンザウイルスが排出されるのである。牛乳を介した人感染を防ぐにはどうすればよいか。東京大学の研究によれば加熱殺菌が有効である。まず、感染した牛乳に含まれるウイルスは、摂氏4度の環境では5週間感染能力を保つ。これを63度で30分加熱するとウイルス数は3万分の1に減少し感染能力を失う。72度で15秒加熱しても同様の効果が得られる。日本国内流通の牛乳はすべて国産であり加熱処理されているから安心である。また米国からの生きた牛の輸入は2003年に停止されている。問題は輸入牛肉であるが、米国農務省の調査で、米国流通のひき肉にはウイルス潜入は見つかってないとのことである。
ここからは天邪鬼の妄想であるが、鳥インフルエンザウイルス遺伝子の人工的改変で人人感染可能なウイルスを作り出すことなどは技術的には容易であると思う。現在出てきてないのはまだだれもやっていないだけだ。しかし現代における人間の悪魔的悪さ加減を鑑みれば、いずれ誰かがやると思う。実現したら致死率50%だから大変だ。このウイルスに対するメッセンジャーRNAワクチンの作成も現在の技術なら簡単だと思う。ファイザー、モデルナ等ワクチンメーカーにとってはこれ以上ないおいしい話であろう。悪魔とつるんでマッチポンプで大もうけしようなどと考えないことを祈る。