いずれハワイも日本へ

前回の記事で伊豆半島はもともと日本生まれでなく、遥か太平洋を旅して日本に到着したよそ者だと言いましたが、同様にハワイ諸島も現在年間6~8センチの速さで日本めがけて旅行中です。日本到着は8千万年後だそうです。太平洋海洋プレートが西へ動いており、ハワイなどの島々はそれに乗ってベルトコンベアー式に移動します。

このことはプレートテクトニクス理論に基づく計算結果です。この理論は地球の表面が複数のプレートに分かれており、それらがゆっくり動いているという理論です。ハワイ諸島が西に動いていることが実際に確認されたのは20世紀中ごろのこと。丁度私が大学で地球物理を学び始めた頃です。このころはプレートテクトニクス理論は斬新な仮説段階で、反対する学者も多く大論争中でした。南海トラフや東日本など海溝型巨大地震のメカニズムがプレートの動きと関連づけて理解されるようになったのもこのころで、それによって海溝型巨大地震がなぜ繰り返し起こるのかが理解できるようになりました。日本列島はちょうど海洋プレートが大陸プレート下に沈み込む場所に位置しているため、このように地震や火山災害が頻発するのです。因果というかとんでもない宿命を背負った地理的環境の列島ということができます。