各論1⇒迷ってる間は見学に行ってはならない

「施設に入らず

自宅を終の住処

にする方法 田中聡 詩想社新書」

各論1 施設入居を迷っているなら見学には絶対行ってはならない

これには驚いた。普通、多くの施設を見学してから入居を決めようと思うであろう。私はオカリナボランティアで普通の人よりは見学経験が多いのでいざというとき有利かと思っていたが必ずしもそうでないのである。理由は見学に行くと施設側のセールストークに負けて冷静な判断ができなくなるからと言う。本書にはこのような、自身の介護施設運営経験に基づく利用者への警告が随所にちりばめられている。図書館で50人待ちである理由が分かる内容である。

引用

「現在ホームへの入居を迷っているご高齢の方、あるいは親族を入居させた方がいいのではと迷っておられる方は大勢いらっしゃるだろう。しかし、はっきり言っておきたいのは、迷うくらいなら絶対見学はやめたほうが良いということだ。自宅を売却して入居準備金を準備するなどもってのほかだ。(中略)

しかし、今一度考えてほしい。ホームに入るのは簡単だが出るのは難しいということをまず知ってほしい。入居は非常な決断と覚悟が必要であることを肝に銘じてほしい。逆に、施設入居を希望するのであれば、えり好みしなければ簡単に入れる。基本的には供給過剰気味だからだ。近くが満杯でも少し広範囲に探せばすぐ見つかる。ただし、良い施設は既に満杯になっているためすぐには入れないだろう。オープンして5年以上たつのに空室があるのは大小の差はあれ何らかの問題のある施設だ。サ高住の施設長も経験した私が皆さんに言いたいのは、決して老人ホーム見学に行ってはいけないということだ。ホームではどこも入居者獲得マニュアルのようなものがあり、見学者に最短で入居してもらえるような営業話術が用意されている。せっかくのご縁ですしね。まだ元気なうちに入居していただければ今後の生活が安心安全で何も心配することが無くなりますよ、というような営業トークで気持ちが揺れる方が実際に多いのだ。しかし騙されてはいけない。あくまでもこれは先方のビジネスであり、本当にあなたのためになる場合は限りなくゼロに近い。実際にあなたと家族のためになることは施設、ホームに入ることではなく自宅に住み続けることとでしかかなわないのだ。自宅に住み続けることを簡単にあきらめてはいけない。」引用終わり。

 

如何でしたか。私には青天の霹靂、目から鱗でしたね。でも自宅に住み続けると転倒骨折とか徘徊、問題行動が頻繁になって自分はもとより近所、家族への負の影響が大きくなるのではないかと考えてしまいます。それはその通りと著者は言います。しかし、そこでやはり施設に入るべきだった後悔してはいけないとも言われます。なぜなら、自宅で起こるトラブルは施設に入ってもやはり起こるのです。自宅だろうと施設だろうと同様のトラブルは起こり、結局はどこでも同じことなのです。「施設にはなるほど見守りスタッフはいるが、24時間あなたを見守ることは100%不可能なのです。なので施設であっても転倒、徘徊、問題行動は必ず起こってしまうのです。確かに家族の介護負担は減るだろう。~中略~でもそれでは、例えば子供たちへの教育として重要な面が欠けるのではないか。子供への食育が大事であるのと同様おじいちゃのばあちゃんの同居を通して育む「老育」というものも今の時代重要ではないでしょうか。本人が入居を望む場合は別だが、介護施設に入らなくて済む方法を社会全体で考えていくべきです。」

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自宅の近くにそれはそれは立派な辛夷の大木があり、今年も数日前満開を迎えました。毎年必ず桜の開花を聞くと満開を迎えます。今年もそうでした。おそらく桜の直後にやってくるハナミズキも例年通りだと思います。今年の春は寒暖が大きく、3月に3度も夏日になったかと思うとまた冬の戻りです。こういう異常気象めいた時節に、例年通りの花の推移をみるとほっとした気分になります。