日本ではこの50年間多くの火山噴火があったがそれは中小規模であった。いわゆる大規模噴火。それは江戸以来300年間沈黙を守っている次の富士山噴火で起こると考えられている。先の3.11東日本大地震の直後に富士山近傍で大事件が起こった。全然知らなかったがある本で知った。それは震度6の地震。この時は火山学者の間で緊張が走ったという。近傍での大地震直後の富士山での地震といえば富士山のマグマだまりのうごめきを意味している。この時は幸いにも噴火に至らずむねをなでおろしたという。しかしながら、3.11大地震で富士山には完全にスイッチが入り噴火スタンバイ状態になったのは間違いないと火山学者は一様に確信している。何が怖いかというとまず近傍の市町村はマグマの流れとか火山弾の直撃がある。それと広範な地域への降灰。江戸の記録では噴火は10日も続き江戸には何日も灰が降ったという。さらに怖いのは山体崩壊が起こる可能性があること。いわゆる大規模山崩れである。これが起こると周辺の街が埋まってしまうらしい。次の図は江戸宝永噴火時の降灰マップである。

今度起こる噴火時に予想される降灰マップは以下の通り。

都心および東久留米でも数センチから10センチの降灰を覚悟する必要がある。灰が積もったくらいなんだと思うかもしれないがそれは大間違いである。火山灰は焼却灰とは根本的に違い極めて厄介なのである。火山灰はたとえて言えば極めて微小のガラス片だと思ってください。1㎝でも積もったら車はスリップ、電車車輪も空回り、飛行場の滑走路も使用不可。目や呼吸器に入ったら深刻な病気障害が出る。ゴーグル、マスクは災害準備に必需品である。さらにやっかいなのはコンピューターや発電機モーターの細部の隙間に入り込んで機能をストップさせることである。物の動きがすべてコンピュータ制御の現代、これがライフラインにいかに想像を絶する不都合を来すか容易に想像できるとおもう。

さて、知りたいのは富士大噴火は何時頃起きるのかである。これについては地震と同じく正確な日時の予測はできない。しかし過去の事例からM8~9級の大地震直後である可能性が高い。直近で言えば2040年までに高確率で起きる可能性があるとされる南海トラフ大地震である。直後とはどのくらいの期日かは分からない。これは大地震と火山噴火の過去の事例から推測するしかない。
引用:富士山噴火と南海トラフ 鎌田浩毅 ブルーバックス176頁
「20世紀以降M9クラス地震は8回起きているが、ほとんどのケースで遅くとも地震の数年後に震源域の近傍の活火山で大噴火が起きている。1952年カムチャッカM9地震の翌日カルビンスク火山、さらに3か月以内に二つの火山、3年後に別の火山が1000年ぶりに噴火。1957年M9アリューシャン地震4日後火山大噴火。1960年世界最大M9.5のチリ地震。2日後と1年後近傍3つの火山噴火。1964年M9.2アラスカ地震2か月後2年後火山噴火、。2004年と2005年続けて起こったスマトラ大地震M9.1ではこのあとインドネシア各地の火山が活動開始した。インドネシアと日本は地震メカニズムが酷似しているから同国の懸念は日本にも当てはまる。
実際、日本でもインドネシアで起きたのと同様の記録がある。例えば3.11との類似性が指摘されている869年の貞観地震ではその2年後鳥海山が噴火、46年後十和田湖大噴火。この火山灰は京都に及んでいる。この噴火は日本列島過去2000年間で最大の規模ふんかで、現在の十和田湖はそのカルデラ湖である。そして「3.11」以降でもいくつかの活火山では活動活発地震が増加している。浅間山、草津白根さん、箱根山、焼岳、乗鞍岳、白山など20個の火山。(含富士山)2014年には乗鞍で60名以上の犠牲者を出す戦後最大の噴火災害が起きている。2016年の熊本地震後阿蘇山の噴火。2018年草津白根山噴火では1人がなくなった。このように3.11の後の日本列島ではそれ以前に比べると明らかに火山活動が活発になっている。さらにこの20個の火山以外でも噴火の始まる可能性は考えておく必要がある。3.11で生じた地盤の歪みが元に戻るには何十年もかかるので今後数十年は全ての活火山を厳重に監視する必要がある。もちろん富士山も例外ではない。」引用終わり
上記の引用では富士山の噴火時期に関して重要な警告を示唆している。それは富士山噴火は必ずしも来るべき南海トラフ地震後とは限らないということである。先の3.11の影響として噴火が起きることも視野に入れておかねばならないということである。つまり今何時噴火してもおかしくないということ。
朝日新聞社説として掲載された「富士山噴火」は以下のとおりである。これを見ると備蓄は少なくとも1週間分せよと書いてある。しかしそれで済めば御の字だろう下手をすると救助の足が降灰で滞り、月オーダーで閉じ込められないとも限らないからだ。
