紅白見ますか?

「紅白見ますか」というアンケート調査が朝日新聞Be版(12月18日)に載った。

結果は、見る派=60%、見ない派=40%。これは想定の範囲内だそうである。後半部分の視聴率は40%と今だに高率。国民的番組で年末の風物詩と言われるが、まだ年末の季語にはなっていない。なので、俳句には例えば「除夜の鐘」という季語が必要である。

・紅白を終えてゆく年除夜の鐘 RECOCA

私は天邪鬼なので紅白は絶対に見ない。但し最後の喧騒の部分をみる。(午後11時40分ごろ?)そして直後の「ゆく年」への静寂の移り変わりが何とも心地よい。そして「くる年」の喧騒はどうでもよいのでTVを離れる。

新聞アンケートのまとめは下記のようになっていた。

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まず「見る派」について。

見る理由について眺めると、積極的な理由と何となく見るという惰性的な理由に分かれる。積極的な理由、つまり見たいという積極的な前頭葉の働きによるものが上三つの理由。①好きな歌手を見たい、②歌とともに一年を振り返る、③流行歌の傾向が分かる、以上で45%。以下なんとなくTVをつけている、等は惰性で見ているだけ。これが約半数。意外と少ない印象。ほとんどが惰性ではないかと思っていたので。

次に見ない理由。こちらは理由がはっきりしており、前頭葉の意思で見ないと決めているのが分かる。

次に、「いつ頃から見ている」、「いつ頃から見ていない」の設問から面白いことが分かる。

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それによると、紅白を見始めた時期として最も多いのが1960年代の43%、ついで1970年代の37%、この両者で8割を占めている。1960年に二十歳だった人は現在80歳、1970年二十歳の人は現在70歳。つまりこのアンケートで見る限り、紅白視聴者のほとんどは70歳以上の高齢者であることが分かる。さらに紅白を見なくなった年は2000年になってからが半数を占めている。これは歌謡番組の傾向が、歌唱力から身振り手振りのにぎやかさを競うものに変化したことが原因だと思う。その結果高齢者の紅白離れが進み、若年層はTV以外に興味対象がうんとあるので、高齢者の減少分を若年層で埋め切れていない。それでもまだ40%の視聴率があるので紅白離れは表立っていないが、このままでは紅白の余命はそんなに長くないと思われる。来年度NHKはかなり大胆な番組改編を行うようであるが、紅白もリストラ対象に挙げて真剣に改変したほうがよい。「ガッテン」も今年度限りと聞く。紅白も、ガッテンのように惜しまれつつ引退の花道を用意してあげたほうが幸せであろう。