AI(人工知能)の光と闇・・・最近のTV新聞から

・・光の場面・・

AI。これはもう、一度体験すると人は手放せないと思う。例えば端的な例が人の超有能な秘書でありアシスタントとして。

手塚治虫氏の名作ブラックジャック。20冊以上のコミック作品として今も多くの読者をひきつけているが、その新作を制作するという現場を取材したTV番組が放映されていた。そのシナリオと新キャラクターの原画もAIに作らせるのである。AIは過去の作品をすべて読み込み一瞬で咀嚼して人間の求めに応じたシナリオをすぐに出力する。人間なら何時間もかかるという。そうして出来上がったコミック本が発売されたそうである。では人間は不要か。そうではないとのこと。アイデアの発想力はまだ人間が数段勝るようだ。有能なアシスタントとしては人を雇うよりAIの方が効率よいことがはっきりと示されている。

AIのシナリオ+AI制作のキャラクター

②単純作業プラスアルファ

この分野はすぐにいろんな分野で引っ張りだこであろう。

例えば介護施設介護施設の人手不足は深刻である。きつい労働環境に見合う給与が不十分のため募集しても応募者が少ないのである。海外から募集するのもいいが、もっと手っ取り早いのはロボットである。一から十まで人が操作するのでは人で不足の解消にならないが、ある程度の判断ができるAIを組み込めばとても役に立つであろう。TVでやっていた実証試験を見て強く思った。

③医療の分野

手術の分野ではAIの識別、判断能力と繊細な動作を可能にするロボットアームとのコラボで高度な医療が既に実現されているが、TV番組で見たのはさらに高度なAIの応用だった。人間の手足の動作の指令は脳の電気信号が脊髄経由で手足に送られる。だから事故などで脊髄に損傷を受けた場合は最悪車椅子になる。そんな場合に脊髄の神経の代わりに人工で脳の信号を手足に届けようというのである。そうすると思った通りに手足が動かせる。そのためにはまず脳の電気信号を解読学習しなければならない。それをAIがやるのである。これはまだ臨床段階であるが、交通事故や神経麻痺の病気で手足が不自由な人にとっては救世主のtoolとなるであろう。

・・・AIの闇・・・

①AI兵器

新しい有能な道具は常に民政と軍需兵器両様に使用される。これは紙の裏表のようなもので、民生のみに限らせるのは、人間の精神性における永遠とも思える未発達のせいで絶対に不可能である。

ロボットの兵隊が攻めてくればそれなりに厄介であるが、もしAIが埋め込まれたロボットとなるとさらに厄介だ。人間は絶対に勝てないだろう。だから戦争の形態として、人間がAIロボットと戦う構図にしては絶対にいけない。自動車に人間が立ち向かうようなものである。本当は人間の精神性が向上して戦争などというものが皆無になればそれが一番なのだが、百歩譲って、もし戦争するなら闘いはAIロボット同士の、人間の代理戦闘という形態にすべきだ。どっち国の技術開発が優れているかを競うのである。戦場はゴビ砂漠とか人の居なところとすればよい。現実は?まだ遠い。AI搭載の無人機が人間を攻めている段階であるから。

②騙す

AIは人を騙す。AIが悪いのではない。人がAIを使って人を騙すのである。AIはとにかく優秀なので、例えばプーチンとかゼレンスキーの語彙、言葉の使い方、話し方の抑揚を即座に真似できる。だから、画像の人間に恰も本人の如くにしゃべらせることができる。ありもしないことをしゃべらせて動画にしてSNSに流す。こうしたいわゆるフェイクニュースの動画が後を絶たないと言われる。これは非常に強力で一般視聴者はまず見破れないそうである。だから常に疑いを持って対処しなければならない。少なくも数日とか若干の間隔を置いて画像の真偽を考えるのがいいであろう。

いずれもフェイク動画

しかし気を付けねばならないのは大新聞大TV番組の内容でも鵜呑みは禁物ということである。必ず何らかにバイアスがかかっているからである。

③AIが人知を超えるとき

その時はあと5~20年後と言われる。

その時起こることは。怖いのはAIの暴走である。AIは人の常識では考えられない倫理的に間違った結論を容易に出す。これは今でもそうである。もしAIが力をもって人間が太刀打ちできない状況になっていたら人間はAIに撲滅されてしまうであろう。この状況を回避するにはいかなる規制の下にAIを進化させるか。今は少し立ち止まって技術開発以外の文系の人を含めた慎重な議論をする時だと思う。抜け駆けの開発をする愚かな人間が現れないことを祈りつつ。