俳句考

俳句講座序盤、順調に推移しています。

理解を確かなものにするために、要約を記すことにします。

今日はまずその1。

私の理解足らずで分かりにくい記述になっていると思いますので、遠慮なくコメントで質問なり異議を申し立ててください。

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・まず俳句は詩である、について。
古池や蛙とびこむ水の音 芭蕉
この有名な句は、単に古池に蛙が飛び込んで水の音がした という原因結果を表すメッセージ(文章)を述べているのではありません。そうではなく、「古池」と「~水の音」という二つの情景のイメージを提示している。

普通の詩でいうと、行換えに相当するとみることができる。(ricocaの解釈)
つまり、一般の詩の形式だと
 古池
 蛙飛び込む水の音
これを、俳句の場合は、17文字にするため助詞「や」でつなぎ1行に書く。やを俳句用語で「切れ字」といいます。
感動の中心は切れ字に伴う「古池」にあります。読者は切れ字によって一瞬立ち止まり、古池のイメージについて思いめぐらす。しばらくしてやおら、どういう古池かというと、蛙が飛び込んで水の音がする古池なんだという説明が続きます。古池という名詞と「~水の音」という名詞句の双方から、それぞれの世界をイメージし、その二つのイメージを切れ字「や」によって関連付けるということです。
これを「古池に~」、とすると、蛙が古池に飛び込んで水の音がしたという、単なる不完全な原因結果の報告文になり、詩ではなくなってしまう。
一方、文末に来る切れ字もあります。代表的なのが、

「かな」と「けり」。
かな⇒かなの前にある句に作者の感動を盛り込む働きをする助詞。
けり⇒感動、詠嘆を表す助動詞。基本的に切れ字は一句に一つ。(焦点を明瞭にするため。)
「けり」は文末に来るとは限らない。
例 枯れ枝に烏のとまりけり秋の暮れ 芭蕉
切れ字は実はほかにもあります。代表的には18個。
かな、けり、もがな、らむ、し、ぞ、か、よ、せ、や、つ、れ、ぬ、ず、いかに、へ、け、じ。

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今日はぽかぽか陽気。鴨たちものんびりと。

すいすいと鴨ゆく水辺日脚し伸ぶ


・「取り合わせ」と「一物仕立て」
取り合わせの句とは、二つの異なる素材を一句の中で一つのイメージとして作り上げる手法による句。上記の句はすべて取り合わせの句です。次の芭蕉の句もその好例として取り上げられてます。
・菊の香や奈良には古き仏たち 芭蕉
「菊の香と仏像、この常識では直接係わりのない素材のそれぞれが生かされながらも、一つのイメージの世界が見事に生み出されています。」

講座テキストにはこのように解説されていますが、実は私にはこの取り合わせの妙は理解できていません。つまり、どうしてこれが名句なのか、感性不足というか経験不足というか残念ながら理解の外に居る。

取り合わせの素材は、近すぎても(言い換えれば常識的)、離れすぎても(言い換えれば非常識の程度が過ぎる)だめといわれるが、結局それは読者の感性に依存するもので、絶対的な物差しがあるわけではないということです。(recocaの見解)つまり、recocaにとっては、菊の香と仏は離れすぎなのです。
一方、「一物仕立て」の句とは、文字通り一つの素材について、深く詠む類の手法です。この深く詠むというのが味噌で、一見楽そうですが、えてして単なる報告や説明文になりがちなので、初心者にはお勧めではないそうです。
recocaが講座テキストで感銘を受けた一物仕立ての句。
ほろほろと露の玉ちる夕かな 子規

梅、辛うじて復帰か

●超特急で歳月が通り過ぎていきます。

2月のカレンダーの猫。のんびりりていてほんとにうらやましい。

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●庭に一本だけある梅の老木。普段の年なら今頃見ごろを迎えている紅梅なのですが、去年剪定に失敗したのかさっぱり咲く気配がありませんでした。

ところが気がついてみたら、ちらほらと芽を出してくれました。さすが植物は生命力が強いです。

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今日はこの空のように快晴。ただし風が強く寒いみたいです。みたい、というのはまだ外に出てないから。

・紅梅の紅輝くや空の青

人工知能(AI)

AIの発達はとどまるところを知りませんが、また新境地を開いたみたいです。

トランプのポーカーでトッププロ4人に快勝したとのこと。20日間に12万回のポーカーを行って全員に勝ち越し、チップ2億円相当を獲得との記事(朝日、2月1日)が出ていました。

これまで、チェス、将棋、囲碁など論理の世界で人間を凌駕するところまで急速に進歩してきましたが、ついにファジーな領域でも人知を超えようとするところまで進化したように見えます。

 

ご存知のように、ポーカーなどトランプゲーム(マージャンでもそうですが)では、対戦相手の札の出し方の癖を見極めて自分の切り札を決める必要があり、いわゆる直観力の要素が強いゲームです。さらにこの人は強気の性格なのか、弱気なのか、張ったりの程度はどのくらいかなどをゲームの進行中に見極めなければなりません。こういった面で、トッププロを凌いだということは、近未来のビジネスに於けるAIの新しい方向性がはっきりと指し示めされたものと受け取らなければならないでしょう。

 

記事にも指摘されていますが、営業に於ける価格交渉など、対手の性格の把握、心理作戦が必要な分野への応用がすぐにでも実現できると思われます。

 

営業の根幹は、いかに優秀なAIを探して味方につけるかが成否の分かれ目となる。そんな時代が透けて見えます。営業マンの仕事は根本的に変更を強いられる。いやな世の中だ。

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笑い療法士

最近朝日新聞は、AIロボットと「笑い」に興味がおありのようで、関連記事をちょこちょこ見かけます。今朝は「笑い療法士」。これには意表をつかれた。数ある「士」のなかでも聞いたことのない新参者です。なにせまだ全国人口850人です。

笑いの健康効果は実証済みだし、仮に健康効果がないとしても笑顔の波及効果を考えたら、これからの世の中絶対重宝されると思います。施設関係者にお勧めの「士」です。2日間の講習とレポートで取得できるそうですから挑戦してみたら如何でしょうか。ワッハッハッハ。ウサギマン師の代わりに一声嘶いておきました。

 

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・晴れやかに春寿ぐや絵提灯

・南国の春遠からじ提灯祭

・世の春を祈るランタン龍踊り

以上3句:長崎ランタン祭り

・春愁の心の友や芭蕉

・紅梅や紅ひときわに雨のあと

・秋立つや一会の雲の風任せ

・春の野や名もなき草も花をつけ

 

冬将軍中休み

穏やかな冬晴れが2日ほど続いています。

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白鷺と小鴨

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白鷺で句を作ろうとしたら、白鷺は夏の季語と歳時記に書いてあるのでやめました。

この小川には、飛来する小鳥、水中の稀少生物など豊かな自然の宝庫です。

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きのう、目の前の枯れ木にカワセミをみつけたのでカメラを探していたら逃げてしまった。

稀勢の里威風堂々の土俵入り

・幾筋の涙の春や土俵入り

水仙や淋しき村の華やげり

●花クイズ

今回は葉っぱ。

きのう行ったボランティア先にあったものです。

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すみません、首を曲げて眺めてください。

②ボランティア先の庭の畑であまり見かけない野菜が植わっていました。

これは何、と聞いたのですが、植えた人がお休みなので分からないとのことでした。

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「笑い」でガン免疫力アップ?

一日一笑い、まだしぶとくやってますよ。

ところで、この5月から、笑いがガンの免疫力アップに効果あるかどうかの研究がスタートするということです。

大阪国際がんセンターの企画で、吉本興業等の協力で漫才落語を聞いた前後の血液や唾液検査でガンの免疫が増えたかどうかを4ヶ月継続調査するという研究です。

笑いの健康効果に付いての研究は過去にもあるが、ガンに特化して4ヶ月もの長期間継続した調査は例がないそうです。果たしてどういう結果になるか楽しみです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000108-asahi-soci

それでちょっと思ったのですが、漫才落語よりも、笑いヨガとか九州の会社の大笑い朝礼とかを対象にしたほうがもっとはっきりすると思うんですがね。がんセンターに提言してあげたいくらいです。というのは漫才落語の時間中のべつ笑っているわけではないからです。特に落語など、くすりと笑う程度の話が多い。

昔禅の高僧が結核にかかったが、気が違ったかと思われるように終日笑い転げて治したという逸話もあります。

●俳句

切れ字が俳句の命。

代表的切れ字 や、かな、けり ですがじつはそれ以外ほとんどの語が切れ字になる。

切れ字は一句にひとつ。ふたつ入れると、5,7,5それぞれ切れて支離滅裂になる。

「AやB」が基本形。Aが季語でありことが多い。Aにつての季節の感動を述べる。

切れ字は意味の説明でなくイメージを関連つける働き。

俳句は季節の風物に対する感動を表現する詩である。

何を詠んでもよいが詩であることを念頭に丁寧な語を使う。

そこで深呼吸を3回して課題を試作しましたがどんな印象でしょうか。

身構えると何となくおすましの感じの句で、普段の自分ではないみたい。

・潮風や丘に寄り添う水仙

・かりがねや訃報伝える友の声

初場所や耐えし大関綱の夢

・秋風や一期一会の雲の影

・冬富士や浜辺にひとつ桜貝

・初夢や我が句特選Vサイン

・麗らかや喜寿の命の風任せ

 

 

 

俳句教材到着しました

  • ユーキャンから俳句教材到着しました。学習期間は半年ですが予備期間入れて1年間。教材はこんな感じです。

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第1ページの言葉

「俳句ブームということが言われだしてからすでに久しくなります。ブームではなく今日は俳句の時代といってよいのではないでしょうか。~~この講座を受講される皆さんは今日から詩人です。~俳句という文芸を存分に楽しんでください。」

やっぱり俳句というのは詩なんだ。だんだん、心細くなってきた。

第一講

俳句の基本構造

名詞+や+名詞句・・・・「や」=切れ字(文法上は助詞)

例 古池(A) や 蛙飛び込む水の音(B)

AとBは主語述語のような意味の上で関連性がないということが重要。

論理的に無意味なものを結びつけるのが「切れ字」

ということで一か月目の提出課題は(A「や」B)の句3句。

代表的切れ字は、や、かな、けり

2年間で何百句も作ってきたが、振り返ってみるとこの構造の句は数えるほどしかないことが分かった。基本に戻れということですね。

尚、俳句と川柳の違いは、切れ字の有無だそうです。この説明は難しい。読んでもすぐには理解できない。

・テニス

錦織選手千載一遇の機会を逸しましたね。天敵のマレー、ジョコビッチが負けていなくなった今大会で優勝できなければ先行き暗い。

・相撲

やっと日本人横綱。でも、この立場は風当たりが強くつらいものがある。負けが込んだ時の風当たりは半端でないけど大丈夫か。

初場所や美酒の大関綱の夢

・ボランティア

東久留米市にできた最新の有料老人ホームを興味深々で垣間見てきました。さすが広々としてきれいで清潔。担当スタッフの第一印象はルール重視の冷たい印象。第一印象は意外と全体の印象に通ずるものがあるので大事です。

待ち遠しい春を呼ぶ曲を演奏。北国の春襟裳岬

南京玉すだれ

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舞踊

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「あん」見ました。

今日の午前中、近くの会館で自主上映された、「あん」という映画を見た。うちの奥さんが前売り券を買っていたのを、何の予備知識もなくなんとなくついて行ったので、アンというのは人の名前かと思っていたくらいである。
上映開始と共に目を見張った。いつも乗ってる西武池袋線の黄色い電車が走っているではないか。さらに目を凝らすと見覚えのある桜並木、おまけに度々このブログに写真を載せている小川の支流に掛かる西武線の鉄橋・・、

それもそのはず、舞台は私の住む東久留米の隣町清瀬ハンセン病療養所多摩全生園で、テーマは今も根強く残るハンセン病への偏見差別だからです。
そして、あんとは人名なんかでなくたい焼きなどの「餡」。

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あらすじ
さるどら焼き屋「どら春」の雇われ店長のもとに、ここで働くことを懇願する老女「徳江」
=徳ちゃんが現れた。雇ってみると彼女は餡作りの名人。瞬く間に評判となり店は大繁盛。
ところが、徳ちゃんにはひとつ問題があった。実は彼女は全生園在住のハンセン病経験者だったのである。

その噂が広まり、ハンセン病=怖い不治の病という無知とあいまって客足は突然ばったり止まり、店のオーナーに解雇されてしまう。徳ちゃんを守り切れなかった店長も結局店を辞めて、公園で屋台のどら焼き屋になる。・・

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このようなストーリーが静かに流れるだけの映画だが、見終わった人は映画から偏見差別に対する強烈なメッセージ性を感じるはずである。これは正に俳句の手法だ。

こういう社会は間違っているでしょう、こういう社会に改めるべきでしょうと縷々述べたいのをじっとこらえて、ただ事実のみを提示して、感動や思考は観客に委ねる。にくいですね~。この監督は俳句の名手に違いない。

「あん」と「偏見差別」、無関係なものの取り合わせ、これも俳句制作手法のひとつです。俳句を志す人はこの映画を見ましょう。
実は、その昔学生時代にハンセン病の差別偏見問題にちょっとだけ関わったことがあります。
国際ワークキャンプの東海地区委員長を任され、農村、施設、ハンセン病療養所を回ったことがあり、その時初めてハンセン病が普通の完治する病であることを知りました。1970年くらいのときですから、まだ一般にはうつる怖い病のイメージが強く、これを払拭させるのをサークルのテーマの一つとして活動していたのを思い出しました。その時の女子学生に徳ちゃんという可愛い子がいたのもこの映画で思い出した。それはともかく、21世紀の現在もこういう映画が必要だということはハンセン病に対する世の無理解偏見差別が50年前と同じだということで改めて怒りがふつふつと沸いてくる。

それと、うちの奥さんは、名人徳ちゃんの餡の練り方がジャムの練り方にすごい参考になる、と妙なところで感心していた。

・冬空を突く煙突の白さかな

・終活はいずれそのうち年新た

・小春日やあんに漂うほろ苦さ