追加記事(台風14号)

上陸時の気圧が930以下の恐れのある台風に対して気象庁は特別警戒を出す。この930は死者5000人と最大の被害を出した伊勢湾台風の数字である。私は伊勢湾台風の直撃経験者。これを経験して以降、日本に襲来する台風は強烈と言って警戒されるものでも950とかで、自分の感触ではなんでこれくらいで騒ぐのだくらいにしか思わなかった。しかし今回のは本当に930くらいで上陸しそうである。これは伊勢湾以降沖縄以外では初めてである。気候変動のせいか今後930が珍しくなくなるのかもしれない。怖いのは満潮と重なる高潮である。異常な気圧の低下で海面が持ち上がるからである。伊勢湾台風の死者は大半がこれによる水死である。津波と同じ威力である。海岸の住民は全て避難すべきだ。経験者としては、甘く見ないことをお勧めする。伊勢湾当時は予報技術の未熟なせいで、事前避難という概念が皆無だったことがこの災害規模を招いているからである。