東久留米の名家の例

◎東久留米にはいくつか名家がある。それは家屋のたたずまいを見ると一瞬で分かる。

中でも群を抜いた家屋のたたずまいを有するトラディショナルな名家がある。しかも現在も子孫が居住していることに意義がある。だから年に一回決まった日にしか見学できない。敷地は母屋に離れいくつかそれに茶畑もあって結構広大である。2011年にはこれら建造物が国の有形文化財に指定登録された。維持管理が大変だと思う。

建物も素晴らしいが敷地内の風情が素晴らしい。そのまま古の武蔵野の風情を醸し出しているのである。勿論そのように維持管理しているからである。そしてその名称を「顧想園」と名付けられた。これは国木田独歩の小説武蔵野の一節中の漢字を借用したものである。

昨日図書館でその写真集を偶然見つけた。素晴らしい内容である。実物より圧倒的に風情が醸し出されている。改めて写真家の腕というか芸術家としてのセンスがないと務まらない職業だと思った。

堂々たる門構え

なかでも私が感銘を行けた写真がこれ。

この構図は偶然なのだろうか。いや、そうではあるまい。写真家があらかじめ構図を予想して待ち構えた会心の作品だと思う。センスと粘り、我慢強さが写真家のエッセンスだと思った。これらの写真集から着想したRECOCA作の俳句2句。

・黄落や独歩携え顧想園

・朧なる月携えし顧想園