豆本。豆のようには小さくないが、それでもすごく小さい本のこと。私たち老眼にはとんと縁のない代物だが、はてなブログで作っておられる記事を見たことがあったので、図書館の本を借りてみた。
読んでみると、豆本というのは幅広い愛好家に支えられたとても奥が深いものだということが分かった。どうしてそんなに小型の書物を作るのだろうというのがまず第一の疑問だが、その答えは簡単、携行に便利だからである。江戸後期には、着物のたもとに入れて持ち歩ける豆本(袖珍本・しょうちんぼん)がたくさん作られ、庶民の娯楽として広まったそうである。江戸は若者の街だからみんな老眼には縁遠かったものとおもわれる。
豆本の歴史はとても古くて、紀元前2000年に古代メソポタミアで作られた45mmくらいの小さな粘土板が、現存する世界最古の豆文書といわれているとのこと。
以下書物の記事から
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書物の形をした豆本としては、15世紀ヨーロッパで作られた聖書。日本ではそれよりはるかに古く、8世紀(奈良時代)に、高さ6cmの巻物がなんと100万部も印刷され、寺に献納されたのがはじめ。(グーテンベルグよりはるか以前とは驚愕)
豆本こぼれ話
・豆本は月に行って帰ってきた。
・世界最古の紙への印刷物は豆本サイズだった
・アラビアの砂漠には、何千という豆本サイズのコーランが埋まっている。
・英国のメアリー女王のドールハウスの中には豆本図書館があった。
・ナポレオンは、遠征途上豆本を携行し当時流行の文学作品を読んでいた。
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・昭和の日囲む火鉢のありにけり
・静けさや融雪剤の坂の街
・天空に凍て(こごえ)赤し皆既月食
・雪掘って大根甘き朝餉かな
・新雪や抜き差しならぬ者の足跡(あと)
・如来像守る桜の枝垂れけり
・眼閉じ花の香りのカフェに座す
・大欠伸何処の空も弥生かな
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