「日本のPCR検査はこのままでいいのか」という動画の紹介

日本のPCR検査はこのままでいいのか、

という動画を二本紹介します。この動画はコロナ関係のなかでとびきりの重要な動画だと思います。但し内容がかなり難しいので、かみ砕いて解説しておきますので、この記事を読んでから動画をご覧になるといいかもしれません。

ひとことでいうと、日本の陽性判定の基準が無意味に厳しすぎる、という主張です。新型コロナウイルスは少数とりついただけでは発熱などの発症もしないし他人への感染能力もありません。正確な数字ではないですが、新型コロナは10万個のウイルスが付着しないと悪さできないという集団突破型のウイルスなのです。日本のPCR陽性基準はそれよりはるかに厳しく、わずか数個のウイルスが付着していてもと陽性と判定します。ですから、新聞TV発表の「感染数」のうち、本当に症状があって他人への感染能力のある本物の患者は一桁ないし二桁少ない数ではないかというのです。実は米国の基準も日本同様厳しいですが、それについて8月29日のニューヨークタイムスは「陽性判定者の最大90%の人は患者でないと思われる。」という記事を掲載しています。ただし、これはPCR検査の精度が悪いというのではなくその逆で、高精度ゆえにその取扱いが問題なのだということにご留意ください。卑近なたとえ話をすれば、鳥取砂丘全体で一個のガラス破片が発見された。だから危険につき砂丘立ち入り禁止にするようなものといえます。

では、具体的にどういうことかPCR検査の内容に立ち入って説明します。

喉等から採取した検査検体に含まれるウイルス数は微量なので、そのままでは居るかいないかの判定はできません。それを人が検出可能な量まで増幅させるのがPCRの基本的操作です。まず検体サンプルを100℃まで加熱⇒60℃迄冷却⇒70℃まで加熱。この1操作(1サイクルという)でウイルスは2倍に増えます。これの繰り返しです。サイクルを重ねるごとにウイルス数はさらに2倍ずつ増えます。(2⇒4⇒8⇒16⇒32倍・・・)こうして検出可能なウイルス数に迄増幅するのに何サイクル必要としたかを数えるのがPCR検査です。採取した元の検体中に含まれるウイルス数が多ければ多いほど少ないサイクル数で済むはずです。逆に検体に含まれるウイルス数少なければ少ないほど、サイクルを重ねなければ検出可能な量まで増幅できません。

さて、検体中のウイルスの数とサイクル数は簡単な数式でむすびつけられますから、陽性とすべきウイルス数を決めれば、それに対応したサイクル数が決まります。そのサイクル数をCt値といいます。日本では、現在採用されているCt値は45といわれています。動画によれば、このCt値はわずか一個のウイルスの検出限界だそうです。だから陽性判定の精度が7割といわれている意味が分かりました。運用が厳しすぎるのです。だから3割も擬陽性が発生するのです。一年前新型コロナ出現当時は厳格な陽性判定に意味があったのでしょうけど、1年経って様子が分かってきた現在そんな厳密な判定に拘る意味があるのか、ということです。これについて政府のコロナ専門家会議はどういう認識なのでしょうか。いったん決めたら容易に基準を変えられないという石頭では、迷惑する国民がいっぱいいるのではないかと思います。ちなみにCt値は国によって異なります。たとえばコロナ優等生といわれる台湾はCt=35と日本よりはるかに緩い基準で陽性判定しています。こんなバラバラではオリンピックの時選手や観客の入国の時混乱するでしょう。自国で陰性判定だったのに、日本で検査したら陽性ということが頻発するからです。下記動画の専門家は45は厳しすぎて無意味、30~35で十分との見解です。

では動画をじっくりご覧ください。

動画①

youtu.be

動画②すでに10月にこういう動画が出ているのに世の中何も規定値通りで動きがない。

youtu.be