知性論争@静岡川勝知事

新聞報道で見る限りこの方は一面的なものの見方にとどまっている方のようだ。川勝知事の発言⇒「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりということと違って、皆様方(県庁新入生のこと)は頭脳、知性の高い方です。~」

ご本人は色々弁明されるが、この文脈では明らかに県庁職員のほうが農業、畜産、製造業従事者より知性が高いという認識を示している。朝日の社説を見ると、この方は学者の出身で過去にもこういう他者を貶めて対象を称揚する論法で問題視されたことがよくあったと書いてある。つまり学者のよくある習性で、机上の勉強の優劣が最も大事なのである。

ここでいうまでもないことだが、農業、畜産、製造業には知的財産権で保護されたノーハウが山ほどある。これらを適切にフォローし、さらには改良、創造を加えるには高い知性が要求される。これができない従事者は取り残され事業に失敗する。県庁職員でも同じであろう。

問題は高い知性をどのように使うかである。国民の福利厚生を意図しない知性の行使は単なる頭の空回りだ。その点農・畜産・製造業ではその見分けははっきりしている。なぜなら、国民に役に立たない農・畜・製造業はすぐに淘汰されてしまうからである。一方、役所、政界、学界などではどうか。自分の見るところ、国民の役に立っている部分はほんの一握りだ。大部分は出世と金儲けにうつつを抜かすことだけで彼らの生活は成り立っている。例えば裏金を作る研究、ネズミのごとく迂回路、抜け道を探る研究・・。

知事として新入生に訓示するなら、せっかく授かった高い知性をどう使って県民に奉仕すべきかをしっかり訓示すべきだった。そして公務員として何をしてはいけないかを。