ミツバチ大事にしよう

今日5月10日。この1か月間の中で最高に心地よい日和である。最高気温は24度と夏日すれすれであるが、湿気がなく風が心地よい。湿度は32%。2,30年以上前のゴールデンウィークというと今日のような心地よい陽気が普通だった。そして俳句の季語「五月晴れ」を自然にイメージできたものだった。それが昨今では五月晴れどころかそれをスキップして、いきなり30度近くの熱中症の夏の到来だ。季節は2か月の先取りと言われている。

・天空にオカリナ響く五月晴れ  RECOCA

さて突然だが、ミツバチと聞いてどういうイメージを思い起こすだろうか。自分は全くの蜂音痴なので人を攻撃す害虫としか思っていなかったのだから情けない。ミツバチもスズメバチも区別がつかないから、スズメバチの怖さが蜂全般のイメージを悪くしている感じだ。

 ところで、数日前、米国の大リーグ野球(MLB)の試合開始直前に蜂に関わる珍事件が起こった。球場のバックネットの高所に突然ミツバチの大群が群生したのである。この状態では選手観客に危険が及ぶので急遽駆除業者が手配された。その間2時間余り試合開始が遅れたのである。下の画像は米国のTV中継画面で、「BEE DELAY」つまり蜂による開始遅延という珍テロップが流された。

群生する蜂の大群

やがて駆除業者が到着して作業。この業者、昇降ワゴン持参で即到着というのだからすごい。

どうやって蜂を除去するのか興味津々で中継画面をながめていたら、さすが専門業者、慣れたものである。まずスプレー噴射して蜂の動きを鈍くさせ、直後に掃除機のような吸引機で瞬く間に吸い込んで一件落着となった。あくる日のネットニュースで知ったのだが、このミツバチ群は毒物で殺されたわけではなく全て野に放たれるのだそうである。

gunosy.com

実はこの措置、動物愛護の精神だけではない深い意味があるのである。蜂駆除業者も当然そのことは心得ていたものと思う。というのは現在世界規模でミツバチが激減しているからである。理由は温暖化によってミツバチに寄生してするダニが急増していることが一つ。ダニの寄生でミツバチが弱り死んでしまうのである。またスズメバチに襲われることも多くなったようである。さらに農薬の弊害も大きいであろう。球場に集まった大量のミツバチ群、実は非常に貴重な存在なのである。実際、ミツバチが減ると何がどう困るのか。蜂蜜の生産は当然減るとして、問題はそれだけではないのである。ご存知のように蜂や鳥は植物や果物の受粉に大いに貢献している。だからミツバチの激減は回りまわって人間の食料の激減に直結するのである。蜂を含めた昆虫の減り方は今従来の100倍の速さだそうである。これ以上ミツバチや鳥の減少が進めば、世界で生産される75%以上の主要作物に影響が出て、世界的な食料不足に陥るという試算もある程だ。その極めつけは相対性理論アインシュタイン博士による警告であろう。「ミツバチが滅亡すれば人類は4年で滅亡する。」現在、人類はこの路線で滅亡への道をひた走っているのだろうか。