トリアージの疑問:天声人語も(1月15日)

RECOCAは昨日の記事で,日本の現状におけるコロナ重傷者治療のトリアージ(選別)に疑問を呈した。そうしたら今朝の天声人語も同様の趣旨を掲載した。RECOCAのアンテナ感度もなかなかのものとひそかに自画自賛天声人語記事によれば、トリアージの必要性は日本医師会長の発言がもとになっているとのこと。「医療崩壊が進んでいる。トリアージせざるを得ない状況に陥りかねない。」しかし、医師会長、よく言うよというのが感想だ。重症患者の急増に追いつかないのは、病床や機材をコロナに回さない彼ら医療側の事情ではないのか。他人事みたいに責任転嫁しないでくれ。

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政府もやっと重い腰を上げて法改正の方針。ポイントは二点。

①休業、時短など命令できる。命令無視の事業者、個人に行政罰の罰金。

②コロナ等患者受け入れを病因に勧告できる。無視した場合、病院名公表。

事業者、個人には罰金で、病院には無し、とはいささか公平性を欠くのではないか。

電力事情も・・

◎電力事情もひっ迫?!

政府発の嘘臭いアナウンスが多いので、これも思惑があるのではないかという疑いを抱く人がないとは言えぬであろう。ひょっとしたらそっちの方が多いかもしれない。原子力発電がフル稼働しないとどんどん電力不足に陥りますよという絶好のアナウンス効果が労せずして撒き散らせる。寒波は去年もその前もきているのに、本当に突然電力不足?無理せず石炭火力に頼ればいい。CO₂出してもいいから原子力発電止めるべきだ。

◎コロナの病者に対する選別的治療が日本でもすでに始まっているという記事が朝日新聞に出ていた。人工呼吸器が必要な重症者が機材の数より多いと必然的に装着者優先度の選別が必要になる。これをトリアージというらしい。普通はより効果の大きい若年者に優先的にまわされ、老人は放っておかれる。(姨捨治療)去年の春、イタリアが大々的にこういう状態だった。選別に際して担当医師は涙を流しながらトリアージに当たっているという報道に戦慄を感じたものだった。ウエットな気質の日本人にはこういう姥捨治療は出来ない、いう評論が多かったが、今になってみればそれは間違いで、なにかひそかに平然と行われているように見受けられる。日本の表裏乖離の怖いところだ。

 その原因はコロナ病棟の決定的不足。病床の絶対値は先進国中一、二なのに英仏の10分の1の患者で不足するのは、コロナを診たくない病院が多いからである。医師会はもとより厚労省も病院に命令できない。お願いを拒否されればそれまで。厚労省が命令できるのは国公立病院だが、近年経済効率優先で保健所同様数を減らしてきた。おまけに独立採算制強化を課しているので、病院側もホテルの部屋同様病床を常に満杯近くに保っていなくては経営が成り立たなくなっている。だから急にコロナに空けろと言われても無理という言い分がある。また民間病院もコロナを入院させたらその後の患者が来なくなり破産するから拒否せざるを得ない。国の長期的な危機管理システムの欠如である。先進国でこういう無防備の国は珍しいそうだ。将来、エボラ、ペスト級の本物の第1、2類のパンデミックが上陸したらどうするのか。

◎新型コロナの致死率インフルエンザの3倍(フランス入院患者の調査)

これをどう見ますか。そりゃ大変、と思う?

いままでの致死率の比較は、インフルエンザ0.1に対して新型コロナは1.5。つまり10倍恐ろしい病気という触れ込みだったのが実はたかだか3倍に過ぎなかったとみることもできる。私はこっちに賛同する。即エボラ並の二類からインフル並みの五類感染症に格下げすべきだ。

それとすぐにでもできるし、やらねばならぬのはPCR検査の基準値を、現在の無意味な厳格値から台湾並みの実質的な値に変更すべきである。こうすれば、今のような単なる陽性者数に怯えることなく、本当に治療すべき感染者数を把握できる。一説には今の数字の1/5になるといわれる。

 

 

♬真っ赤な太陽

新年の覚悟秘めたるマスクかな

冬晴れやラジオ体操息白し

子の墓にふと立ち寄りし冬日

裸木や藍冴えざえと空広し

・・・・・・・・・・・・・・・

全てのもやもやをこの曲ですかっと一掃。

RECOCAのオカリナで真っ赤な太陽。

youtu.be

真っ赤な太陽(昭和42年)

吉岡 治作詞 原信夫作曲

①真っ赤に燃えた太陽だから

 真夏の海は恋の季節なの

 はげしい愛に灼けた素肌は

 燃えるこころこいのときめき

 忘れず残すため

 真っ赤に燃えた太陽だから

 真夏の海は恋の季節なの

②いつかは沈む太陽だから

 涙にぬれた恋の季節なの

 渚に消えた二人の恋に

 砕けた波が白く目にしみる

 くちずけかわし永遠を誓った

 愛の孤独海に流して

 はげしく身をまかす

 いつかは沈む太陽だから

 涙にぬれた恋の季節なの

 恋の季節なの

 恋の季節なの

www.youtube.com

 

「本当は危ない国産食品」これは本当に衝撃の書です。

2020年12月20日発行

奥野修司

新潮新書

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国産食品に残留農薬が蔓延しているという警告書です。主に日本茶、野菜、パン、パスタなど小麦、大豆製品に顕著ですが、飼料を媒介とした肉製品にも要注意。意外だったのは日本茶。ひところ日本茶ダイエットがはやったとき、不思議な神経障害が多発して、多量に飲むのをやめたら回復したという例もあったとか。

さて、日本における合成化学薬品の農薬の歴史を紐解いてみると、まず終戦後前後のDDTBHC。これは有機塩素系で、特徴は猛毒で人体にも中毒症状を呈します。思い出すのは子供の頃の経験です。よく野球のボールが田んぼに飛び込むのですが、絶対に素足で入ってはいけないと厳しく言われました。その頃BHC成分の農薬が盛んに田んぼに散布されていたからです。あまりの強毒性のため1980年代には各国で禁止になりました。

次に出て来たのは有機リン系の殺虫剤。これはナチスが開発したサリンに似た成分です。昆虫の神経系統に障害を起こさせて駆除します。当初は人体弱毒性とされていましたが、子供に強い作用を及ぼすことが分かり、EUでは次々禁止されていますが日本では継続中です。

さて、本書で問題提起しているのは、その次の世代の農薬です。1990年代米国の会社から発売されました。その1.⇒ネオニコチノイド系(略してネオニコ)農薬。発売当初の宣伝文句は「人体に安全な殺虫剤」。有機リン系と同じく、昆虫の神経系をかく乱する作用で駆除します。人体安全の殺し文句のため、家庭用品にも急激に拡大しています。例えば、蚊取り薬、ゴキブリ噴射、公園校庭の雑草駆除・・。ところが世界各地でミツバチが群れごと消えることが問題となり、最近では人間にも神経毒性があることが分かり、EU各国、韓国、ブラジルで禁止されました。ところが日本では逆に安全とされる基準値が緩和されているのです。たとえば、顕著なのは2017年の突然の緩和。何の安全試験もなく数字を意のままにいじくる!なお、下表のグリホサートとはネオニコに次いで現れたもっと強烈な作用の農薬成分です。遺伝子組み換え食品に関係する農薬。

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なぜこんなことになるのか。誰のための緩和。明らかに米国政府です。米国政府から次々に要求が来ているそうで、日本政府の食品安全審査会の作業はその順番を塩梅するだけだと揶揄されているそうです。軍備が米国頼みだと周辺の食の安全も売り渡さざるを得ないということのようです。実際、この時の担当者はオフレコで、あれはクリスマスプレゼントだったのですよ、と漏らしていたそうです。弊害は明日すぐ出るものではありません。だから分かりにくい。ゆえにあらかじめ用心に用心を重ねて安全サイドに設定すべきなのに逆です。10年前、民主党の枝野官房長官原発事故の放射能に関して「直ちに生命にかかわるものではないから安心して」と繰り返していた言葉がそっくり当てはまります。今日明日が心配の大人や老人ではなく、2017年の10年先、20年先の子供たちがどうなっているかを心配してるのです。今現在すでに自閉症、引き籠り、各種発達障害うつ病が急激に増えつつあります。これらは脳の神経系のかく乱、障害が関係するのではないでしょうか。

野菜編残留農薬の実態は次の表のとおりです。

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さて、ネオニコの次のさらに強烈農薬は、グリホサート(農薬名:ラウンドアップ)です。これは異常に強力な枯葉剤です。作用はネオニコと同じく神経作用のかく乱。人体無害がうたい文句ですが、発売元の安全試験は非常にずさんなもののようです。ラット(ネズミ)の試験では、腫瘍、異常行動、認知症等がみられる。疫学調査では精子数の減少の懸念もあるとか。農薬に暴露し続けると不妊にも繋がりかねない。

さてグリホサート(農薬名ラウンドアップ)は遺伝子組み換え食品に直結するので覚えておいてください。ところで遺伝子組み換え食品、例えば大豆、小麦などがなぜ危険か分かりますか。私はこの本で初めて了解しました。遺伝子組み換え食品に付着するクリホサート農薬なのです。なぜかというと、まず遺伝子操作でグリホサート耐性の小麦、大豆などの品種を作って育てる。そこへ強力除草剤クリホサートをドローンなどでで大量に散布することにより効率的に収穫できます。やっかいなことに、グリホサートやネオニコチノイドは吸収性なので根から植物全体に行き渡ってしまいます。従来の有機リン酸系農薬のように洗えばとれるというものではないのです。ですから、遺伝子組み換え大豆や小麦には必然的に農薬が付着するのです。

輸入小麦のグリホサート検出率

米国=98%、オーストラリア=45%、カナダ=100%、ドイツ、フランス=0

日本の小麦製品24種のグリホサート検出試験

小麦粉=46%、全粒粉=50%、パスタ=100%、マカロニ、シリアル=0

つまり、パンやパスタには要注意ということです。からくりは難しいですが日本蕎麦にも要注意だそうです。多分ネオニコ系農薬が土壌水を経由して浸透するものと思われます。なぜなら、日本における農薬使用量は世界的に驚くほど多量になっているからです。例えば1ヘクタール当たりの農薬使用量を比べると以下のようになっています。

①中国13.07kg、②韓国12.37、③日本11.76、④オランダ7.9、⑤ドイツ4.03

⑥フランス3.6、⑦アメリカ2.54

今に中国を抜いてトップに躍り出る勢いです。これは残留基準値が極めて緩い結果です。例えばお茶7種の残留基準値はEUの1090倍緩いです。本来お茶大量摂取の日本の方が厳しくあらねばならぬのに逆です。野菜もしかり、EUのスーパーでの日本産野菜は有機野菜しかEUの検査基準を満たさないそうです。米国の農薬が少ないですが、これは自国向け。海外、例えば日本向け小麦や大豆だと、「これはジャップが食べる分だからいいんだ」といって農家は意に介さないのだそうです。ですから食料自給率は出来る限り上げて、他国頼みをやめなければなりません。

遺伝子組み換え食品を避けるには、表示を見て避けるしかありませんが、その一番大事な表示義務が2023年から廃止になるとこの本に書いてありました。日本人の健康売渡政策は米国のスケジュール表にのっとって留まるところを知らぬようです。

エコイート

ゴーツーイート、ゴーツートラベルだとかやたら怪しげなカタカナ語や横文字がはやりですが、どこの役人の趣味でしょうね。またそれに無批判に迎合する大衆。

クイズ:エコイート(eco eat)とは何でしょう。答え:廃棄食品を食すことです。

エコイートの店がこのほど東久留米に開店したというお話です。つまり、賞味期限は過ぎたが、消費期限内の食品を集めて割安感たっぷりの価格で売るお店です。ひょっとするとこういう店、時代の先取りかも知れません。

食品ロス。本来食べられるのに廃棄される食品をこう呼びます。年間の日本の食品ロスは612万トンにも及ぶとのことです。この店では、通常の店の過剰在庫商品、パッケージ崩れ商品、賞味期限切れまじかの商品を集めて格安販売するのが目玉です。昨日開店なのでいってみたら「三密」なので辞めた。もったいない精神を基盤としたこういう店。もったいないは日本独自の精神なので、食品ロスの有効活用、当たりの発想かも知れません

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夏みかん・今シーズン初収穫

◎庭の片隅に夏ミカンの木が一本だけある。肥料をまいたり大して剪定もせず何も世話らしい世話をしないのに毎年豊富な果実を実らせてくれる。今回もそのシーズンがやってきた。夏みかんというからには夏が旬だろうと思うのだが、どうもその辺のところが良く分からない。今頃の寒い時期の収穫物は例年すっぱくてとてもそのままでは食べられないのが常なのだが、今回一つ試食してみたら十分いける。こんなことは初めて。それで現在実をつけている果実の大半を収穫した。ただし、私は農作業に一切手出ししないので、高所の枝切ばさみが必要な部署は女房が若者を雇って収穫した。この写真は第一回収穫物の全容である。

クイズ⇒さて何個あるでしょうか?

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◎自由ということ

ある百歳になる絵描きさんのエッセイを読んでいたら、自由について次のようなことが書かれていて、なるほどと思った。

自由になるということは、物事を客観視できるということがベースにあるべきだ。そのためには、自由であるべき自分があらゆるものから独立していなければならない。なにかに所属していては客観視は出来ない。なぜならそれにとらわれてその方向からしか物が見えなくなるからである。所属している場所のいくら高みに昇り詰めても、それは単に超越しているだけであって、客観視とは違う。という意味のことを述べておられた。流石百歳の年の功。この言葉を日本学術会議に捧げたいと思う。日本学術会議は政府機構から独立すべきだ。また、政府のコロナについての見方にも当てはまりそうだ。私の目には随分と偏向しているように見える。そう思いませんか。それで飲食店は不当にいじめられて困っている。

 

感動を呼ぶ絵本

カカ・ムラド~ナカムラのおじさん

原作・ガフワラ

訳文・さだまさし

発行者・双葉社

第1刷発行日・2020年12月6日

1500円

ぜひ購入してお読みになることをお勧めします。絵本ですが対象は高学年~大人だと思います。

アフガニスタンで医療、用水路の建設に一生を捧げ、不幸にも現地でいわれなき凶弾に倒れた中村哲医師のことはよくご存じと思います。

この直後に、中村医師に助けてもらったことを後世に語り継ぐためにアフガニスタンで2冊の絵本が出版されました。「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」、「カカ・ムラドと魔法の小箱」です。前者は中村氏が現地で行ってきたことの事実をもとにした創作、後者は中村医師をイメージしたファンタジーです。今回の日本での出版絵本は両者の日本語翻訳。

中村医師は本来精神科医。それが必要に応じて内科、外科を急遽習得し手術も習得して現地医療に貢献されました。それでも診療所を訪れる患者は減るどころか増えるばかり。現地の村々を視察した氏は原因は水不足による飲料水汚染であることを突き止め、井戸の掘削に従事しますが限界を感じ、用水路を建設して恒久的な解決策を計ることを決意しました。しかし、水源までは25㎞、しかも土木工学の素人ということで大変な悪戦苦闘。短時間で必要な土木工学を習得してしまうことは実に凄いことです。何年かの現地人との共同作業で遂に完成。死の砂漠といわれた、ほぼ名古屋市の面積に匹敵するといわれる砂漠地帯が緑の耕作地に変貌して今や65万人の飢えを凌ぐ結果になっているとのことです。用水路建設作業の作業には大勢の現地農民が有給で従事しました。その資金は日本のペシャワール会という後援会が中心となって日本全国の有志から調達しました。貧乏のため銃をもって内戦に従軍せざるを得なかった農民多数が用水路建設作業員として銃をすてて生まれ故郷にはせ参じたとのことです。口先だけの政治家や目立ちたがり屋の活動家でなく、こういう無私の実務活動家こそノーベル平和賞の対象として相応しいのではないでしょうか。

この本の日本語篇翻訳者が意外や、あのさだまさしさん。経歴を見ると小説家でもあるようです。どうりで、秋桜とか心に響く詞が出てくるんですね。

敬意を表してRECOCAのオカリナで秋桜を載せておきます。

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