健診

我が町東久留米市には高齢者に特定健診という制度があり、無料で健康診断が受けられる。ただし、受診すべき期間が決まっていて、誕生月前後である。RECOCAの誕生月は6月なので、例年なら案内文書が配布される時期なのだが今年は来ない。市財政手元不如意につき制度廃止したのかもしれないが、市に問い合わせしてみようと思っていたら、そんな必要はない、というそのものずばりの本を見つけた。「患者よ、がんと闘うな」で一躍有名になった近藤誠氏の最新著作である。

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慶応病院を退官されてどうしておられるかなと思っていたが、あいかわらずの健筆ぶりである。がん検診は不要とのお説は熟知していたが、一般検診も不要との説。これはじっくり拝聴する必要がある。「患者よ~」以来何十年になるだろうか、その間お説に一切のブレがないのが信用に足る所以である。

この本の中で初めて知った言葉⇒天ぷら医者

引用してみましょう。「なぜ日本では、欧米では実施されていない職場健診や人間ドッグが盛んなのでしょうか。その答えの一部は過去にあります。まず着目すべきは現在我が国に「天ぷら医者」が多いという事実です。白衣を着ていて立派に見えるけど知識や能力が足りず安価な天丼のエビのように中身が貧弱な医師のことです。」なぜ増えたか。太平洋戦争の従軍医師の粗製乱造がその元だそうです。終戦とともにどっと帰国医者があふれかえり、ほとんどが開業しますが、国民は医者に掛かる経済的余裕がなく半失業状態だったとのこと。

状況を一変させたのが1961年の国民皆保険制度。保険証を握りしめた大衆が開業医に殺到し大繁盛と化した。問題は、天ぷら医者の再生産です。初代天ぷら医者の子供たちは親の職業を次いで医者を目指しますが、そのとき天ぷら状態を解消すべききちんとした教育がなされるべきだったのに再生産されてしまった。それの原因が70年代の一県一医大構想で多数できた私立の医科大学で、入学金や裏金に糸目を付けなければ簡単に入学できる制度ができ、またもや医師粗製乱造が再現されたのが現状とのことです。驚くことに1/2+1/3=2/5と答える小学生レベルの医大生も珍しくないそうです。

天ぷら医者の典型的診療方法は薬漬け。薬の副作用が出て患者さんが何かを症状を訴えるたびに薬を追加していくのも天ぷら医者の特徴だそうです。慶応病院ですら内科を中心として多剤処方が目に余る状況だったとのこと。天ぷら医者は検査も大好き。

もう何をかいわんやだな~。

ではどうするか。近藤先生のおすすめ。

・健康な時は検査を受けない(普通の検診も人間ドッグも)

・職場検診の強制には。

黙って受けるのが楽。ただし、要精密検査は無視すること。健診を受けるのは義務でも結果は自己責任で如何様にもできるから。

RECOCAは特定健診のとき、放射線を浴びるだけの胸部X線、何ら意味のない便潜血検査は拒否しています。幸い精密検査といわれたことはない。

・検査で病名を付けられたらどうするか。

込み入っているので、本を買って読んでください。(740円)

・玄米採食、肉食制限はだめ

・百歳長寿者は肉魚たっぷり摂取

・検査値より体を信じる

・日本の医療は不安産業

健康には追い求めると不健康になるという背理がある。

元気でご飯がおいしい時はがんや検査値に異常が見つかっても医者の言うことを信じない方が確実に長生きできます。

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いかがですか。懐疑的な人でも何十パーセントかは思い当たる節があるのではないでしょうか。いろんな説を自分の頭で吟味して、とにかく誰かや何かの言いなりにならないことが大事だと思います。

●季節が2か月先行するくらい今年の5月は異常。ラニーニャ現象だ。この分だと都心でも夏は40度近くがふつうになるのではないか。

・薫風に切り裂く音や米軍機

・薫風に紅茶の香る朝餉かな

・野仏に花の一輪風光る

・二刀流五月の空へホームラン

・マネキンの一足先の夏姿

元号の送り迎えや聖五月(来年)

・平成の何を惜しむや目刺し焼く

・目刺し焼く平成飾ることもなく