健診

健診とは健康診断の略。検診とは違います。検診はがん検診とか使います。病気の疑いがあって検査する。健診は自覚症状のない健康人の検査。

自治体の特定健診の時期ですが東京はこんな状況なのでわが自治体は延期したようです。しかし、私は全然かまいません。近藤誠著「健康診断を受けてはいけない」で鍛えられていますから。根本的理由は健診の基準値が科学的でなくいい加減だからです。上の本では一つ一つ文献上の根拠を上げて述べておられるので説得力があります。

さて、健診の目玉にメタボ健診というのがありますよね。肥満度を表すのにBMIという指標があります。(体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m))BMIが25以上だと肥満と検診では注意されますが、じつは日本人の場合男性は26、女性は24が最も長命なのです。逆に20以下の痩せすぎは危ない、短命です。男女とも肥満で死亡率が上がるのは29以上です。つまり、チョイメタボの小太りが理想的といえるのです。RECOCAは22.3で基準値では合格ですが小太りの理想地BMI=25になるにはあと体重を7kg増やさねばなりません。胃腸が丈夫でないRECOCAにとって、これは大変なことなのです。逆に痩せるのは簡単。胃腸の具合が悪い時に食事を減らせばよい。

あと近藤氏のこの本を読んで何と姑息なと呆れたのはコレステロール値です。何年か前までは総コレステロールという値が使われていたのをご存知でしょうか。それがいつの間にか廃止されて悪玉コレステロールと善玉コレステロール値に変更されています。その理由が本当に呆れるというか腹立つものなのです。少なくともRECOCAは頭にきた。

日本では総コレステロール220以上の人にコレステロール高異常ということで薬が処方されました。ところがこの基準値は心筋梗塞などの病気持ちの人から得られた値でした。これを健診の健康人に適用したのです。つまり健康人には厳しすぎる基準値です。でもこうすることで製薬会社は大儲けできます。一方で日本人の健康人の大規模調査が行われ、総コレステロール240~260の人が一番長命という結果が出てしまいました。それで困った当局は総コレステロール値を引っ込めたのです。そしてひねり出したのがLDLコレステロールHDLコレステロールに分解することです。前者を悪玉と呼び、悪玉に新たな基準値を設けてそれを超えた人に薬を勧めることにしたのです。問題はここでも薬を服用したらより健康になるとか死亡率が減るとか言ったデータは一切なかったことです。それどころか健康人の大規模調査では悪玉コレステロール中性脂肪も値が高い方が死亡率が低いことが分かったのです。(近藤氏著)

さらに、面白いことが書いてあります。「健診は公共事業」。職場健診やがん検診を推進すれば受診者が増え自然と病人が増え、厚労省所轄の業界(医療機関、製薬会社、医療機器メーカー)繁栄につながるわけです。それから近藤先生は日本の臨床医にも辛辣です。「医師たちは健診の有効性を信じているのか。学校では有効と教えられている。しかし中には言葉だけでなく実際のデータを示した論文に当たろうとする熱心な臨床医もいるだろう。しかし残念ながら日本語の論文にはなく、正しい記述は海外の英文の雑誌にしか載っていない。一般開業医は英語力に問題があり英文雑誌は読めないから結局マニュアル通りの対応しかできない。しかも仮に真実を知って、健診は無意味なんて言ったら医者世界で村八分になる。」ここでも自分の身は自分で守るしかないようです。医者の言いなりは命取り。冗談でなく・・。