♬北の宿から

めっきり寒くなりましたから、今朝の曲はRECOCAのオカリナで「北の宿から」です。御存じ都はるみ演歌全盛期の名曲ですね。阿久悠の詞が典型的演歌です。言葉が直情過ぎて嫌いという人もいるけど、ここまでくるといいものですね。それにしても男性である作詞家がよくこういう発想が浮かぶものと感心します。並の想像力ではない。

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あなた死んでもいいですか、なんて言われたらどうしますか。まさに殺し文句ですね。

小林亜星氏のメロディもとてもいい。前半の緊張感のあるシンコペーションのリズムが、逡巡する「女心の未練」を表しているように聞こえます。そして、後半のさびのところの3連譜をつなぐロングトーン(長音)のところへ来ると一転とても心地よくなります。多分歌っていてもそういう気分になるのではないでしょうか。下記リンク「You Tube」クリックしてください。

オカリナ:RECOCA

伴奏音楽制作:中北音楽研究所

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さて、ここからは蛇足です。

演歌は男女の思いを直情的に歌ったものです。天・地・人に分類すれば「人」に相当するのではないでしょうか。ではその対極「天」の音楽は。人それぞれに「天」の音楽として選び取る音楽は違うでしょうが、ピアニストの仲道郁代さんはそれを「天から滴り落ちる雫のような~」と表現されています。(昨日の「折々のことば」)

RECOCAの心に刻まれている、天から滴り落ちる雫のような音楽はというと、西洋ルネッサンス音楽ですね。その中から一つ聞いてみてください。16世紀後半の大作曲家ウイリアム・バードのアヴェ・ヴェルム・コルプスです。合唱で歌われている歌詞はカトリックラテン語讃美歌、題名の意味は「聖なるお体」(キリストの遺骸のこと)です。演奏は世界最高峰の古楽合唱団と評されているタリススコラーズ

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ずっと後輩のモーツアルトも同じテキストで作曲しています。ではモーツアルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス。こちらのほうがクラシック(古典)音楽に慣れた耳には馴染みやすいかと思います。

天の音楽、人の音楽大きな違いが感じられますがどちらが優れているというたぐいの違いではないと思います。言い換えればジャンルの違いとでもいえるのではないでしょうか。

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