過去記事採録(3)

過去の記事で気に入ったものを採録しています。今回はその3。2015年1月23日の投稿記事。例によってPVは殆どゼロでした。RECOCAがなぜこの記事を気に入っているかというと、出てくる話の展開に意外性があるからです。記事の中で言及していることは二つあります。A=医療に満足している。すなわち医者によくかかる。、B=そういう患者は不利益を被る。常識的には、B=利益がある。ですよね。それが真逆の意外性。これはまさに良い俳句の重要な条件です。俳句では、5・7・5のなかに二つのことA,Bを取り合わせます。その場合、AとBに論理的あるいは常識的な関連がないことが良い句になります。そういうA,Bを見つけることを俗にひねりといいます。ですから、こういう話の展開を面白いと感じる方は俳句のセンスがありますから、やればそこそこ上達すると思います。

医療の逆説(1)

編集

近藤誠先生の本から。

「医療に満足すると死亡率が26%高い。

アメリカ医師会が出している有名な雑誌に2012年、「満足の代償」と言う記事が載って大きな反響を呼びました。医療保険に入っている米国人5万人以上の医療費と健康の関係を5年がかりで追跡調査したら驚きの結果が出たんです。各人が病院へ行って受けた医療の満足度を項目別に各自評価してもらい4つのランクに分けました。当然ながら、親切な病院や医者に恵まれ、ていねいな医療を受けているほど満足度は高まります。医療に満足しているグループの人は転ばぬ先の杖で、体の異変があるとすぐに医者に診てもらい、よく薬を飲み、早めに入院する傾向が強い。ところが、4,5年追跡調査したら、一番医療に満足しているグループは、一番低いグループ(つまりあまり医者に行かない、薬も飲まない)に比べて死亡率が26%も高かった。」

こういう落語のようなお話が近藤先生の本にはいくつも出てきて実に楽しい。

医療の逆説(2)

近藤誠氏の本から、さらに落語チックなエピソードを紹介する。

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医者がストライキすると死亡率が減る。

1976年、コロンビアで医者が52日間ストをやり救急以外全てストップした。その奇妙な副作用として「死亡率が35%も下がった。」と言うニュース。「偶然かもしれないが事実は事実である。」と国営葬儀協会がコメントした。

 

同年、ロサンゼルスでも医者のストがあり、17の病院で手術件数が6割減った。すると全体の死亡率が18%低下した。ストが終わると死亡率は前の水準に戻った。

 

イスラエルでも1973年に医者のストが決行された。診察患者数が1日6万5千人から7千人に減った。するとどうなったか。エルサレム埋葬協会は「死亡率が半減した。」と発表。

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これは何を意味しているのでしょうね。いかに多くの人が不利益を蒙る医療を受けているということかな?