日本人の死生観の劇的変遷

朝日新聞Be版に毎回読者のアンケート調査が載る。

先週の質問題は「お墓に入りたいですか」

回答「はい」が39%、「いいえ」が61%。いいえの多さ!これだけお墓嫌いがいることにちょっとびっくりした。いいえの理由⇒①子孫に負担を残したくない②よりどころと思わない③生きた証を残したいと思わない④墓参りする人がいない

入りたい理由①はいれる墓がある②家族親族と一緒にいたい③日本の習慣で当たり前④思い出してもらえる⑤心のよりどころ

いいえの答えの人に聞く。自分の遺骨はどうしたいか⇒①合葬墓や永代供養②樹木葬③海洋散骨、他空に撒く、自宅に置く

一番興味ある質問は「自分は死後どう過ごすと思うか」全員が回答⇒①死んだら終わり(27%)②家族を見守る(22%)③あの世でのんびり(19%)④あの世で家族や友人らと(15%)⑤思い出の地を訪ねる(6%)⑥リゾート景勝地でのんびり(6%)その他

うえの回答の記述内容をよく見てほしい。死んだら終わり、つまり霊魂否定死後生なしと思ってる唯物思想の層はわずか3割に過ぎないのである。これは私にとって意外だった。例えばこのブログで死後生を話題にした記事は軒並み敬遠されてきたからである。大部分の人は唯物思想の持ち主で霊魂・死後生に興味なんてないのかと思っていた。死後生肯定派は変人ではなかったのである。これでとりあえず安心。

さらに、NPO法人エンディングセンターに申し込んだ会員のお墓に対する考えは、子や孫に管理の迷惑をかけないことを前提に、死後も家族や友人と会える場所としてお墓を大切にしてる、というものである。ここでも死後生の存在がごく自然に信じられていることに感銘を受けた。会員の集まりでは墓の区画が隣り合う人の間で「あちらでは夜景を見ながらワインを飲みましょう」といった会話が聞かれるという。

いっぽう死後生に関する最近の書籍の話だが、本来死後生否定の唯物思考の塊に思える科学者や医者が自身の体験から有霊魂・死後生派に転換した著書が相次いで出版されている。そのうちの一冊は東京大学医学部の救急教授が現役時に出版した有名な本で、現在アマゾン1位だそうである。この本は現代スピリチュアリズムの簡単な入門書としても最適である。

さらに、彗星発見者として世界的に有名な木内鶴彦氏も負けてはいない。自身の3度に亘る臨死体験から導き出した独自の思想が冴えわたる。木内氏の臨死体験が極めて貴重なのは、脳の活動停止が医学的に証拠づけられていることである。つまり彼の臨死体験は脳の幻覚や誤動作ではないことが医学的にはっきりしていることである。

私の感想だが、こういう思想をクリアーに述べる人はむしろ理系の人に多いようである。