私立病院が開業

隣の市、小平市に新しく私立病院が開業(2月1日)のチラシが入っていた。近年病院の経営は非常に厳しいと聞く中、新規病院の開設というのはとても稀有のことではないかと思った。東久留米市には小さなクリニックはあるが、内科外科その他を含む評判の良い一般病院は存在しない。ただし近代的な産婦人科病院はある。一方、東久留米市に隣接する、小平、清瀬西東京、東村山各市には公・私病院が存在する。だから新しい病院はできれば東久留米市に出来てほしかったが、この際それはしょうがないとして、とりあえずこの病院のチラシを眺めてみると、いくつか注目すべき点がある。

まず、病院経営が厳しいといわれる環境の中に打って出ようという以上経営が成り立っていくという目算がなくてはならない。それには、現在巷の市民とりわけ患者及び患者予備軍のニーズに合致する必要がある。そういう目で宣伝チラシを熟読してみる。

・注目するキャッチコピー

「急病の時も、そうでない時も、むさしの病院へ」

まずこれはこの病院の性格を知るうえで非常に重要な言い回しだ。つまり、開業医の紹介状不要ということを意味している。実は同じ小平市にはすでに都立の中核病院がある。しかし、そこでは紹介状なしにいきなり受診すると多分1万円近く初診料をとられるからやめた方がよい。

・診療科目

一般診療の中に訪問診療科がある。さらに専門外来が多彩だ。(発熱外来、頭痛、めまい、睡眠、禁煙、高圧酸素、ワクチン、ED、骨粗鬆)このワクチン外来はコロナワクチン後遺症に対応しているだろうか。

・スピード

1分の遅れが10%生存率を下げる、という現実を踏まえ、救急病院の名にふさわしい体制を整える。

・コンビニエンス(利便性)

軽症の中に潜む重症を見逃さないために、どんな症状でも不安を感じたら24時間365日ためらわずの受診可。

・コミュニケーション

救急病院であるとともにかかりつけ医として日頃から気軽に相談できる街の保健室を目指す。地域包括ケアシステムの一員としての機能を心がける。

近日開設予定

訪問看護ステーション

・居宅介護支援事業所

介護保険サービスに関する相談や計画の作成

さらに目を引くのは自前の救急車を保有することである。「高規格救急車を2台保有し、当院専属の民間救急隊が地域の救急要請に日々応える。急な症状で来院が難しい時は「お迎え救急」をご利用ください。1割負担500円。」

国、厚労省の提示する日本の医療体制は専門とかかりつけ医を分離すること。しかし、この新規病院のコンセプトはその両者を一手に引き受ける体制の方が利用者の至便性に適合するんではないですか、と国の方針に真っ向から反抗しているのである。久しぶりに意気軒高たる病院経営者の姿を見た。願わくば開院後も長く続いてほしいものである。