新型コロナウイルス抗体保有率~4月、神戸の場合

神戸の市立医療センター中央病院で4月に外来患者の血液検査でコロナウイルスの抗体検査が行われた。対象は外来患者千人。その結果、4月上旬の段階で抗体保有率3.3%に達していたとのことである。これを神戸市の人口に当てはめると、市民の感染者数は4万人にもなる。その時の神戸の累計発病者数は260人であった。つまり、発病率は0.7%。これらの数字は何を意味するか。ひとつは、感染しても千人に7人しか発病しないこと。感染自体は注意しても防ぐのは難しいことである。

試しにこれらの数字を人口約10万(実際は11万)の東久留米市に当てはめてみると、10万人の3%⇒3000人。これが数字上の感染者数(実際に何人かはもちろん不明)発病率0.7%をかけると、数字上の発病者数は21人となる。東久留米の実際の累計発病者数15人と比べると、なかなかよく符合しているといえる。

話は飛躍するが、ワクチンなしの状態で今回のコロナが自然消滅するには集団免疫が必要で、それには国民の半数の感染が必要と言われている。そうすると日本の場合、感染者数5千万人、これに発症率0.7%を掛けて発病者累計35万人を覚悟する必要がある。これが医療目標の上限の数字。

こうなると誰が感染、発症してもおかしくないから、日本特有の意識である、コロナ発症は自業自得意識で患者を差別の眼で見るのはやめなくてはいけない。これは天に唾する行為で、早晩自分に降りかかる。最近国際的なアンケート調査が行われ、自業自得意識と差別意識が日本においては他国に比べ際立って高いという結果が得られている。理由は日本人の意識の根底に「世間体」というジャッジ機関を有しているからだと思うが、これが悪い方向に作用すると極めて陰湿な行為につながることを自戒したいと思う。