こんにちは。暦の上では大寒なのに3月並みの暖かさと言われています。季節が2か月先走っている。6月になると35度ということでしょうか。寒い冬が懐かしいです。
さて、最近時々累積した赤字国債が千兆円とかで国が大変なことになるから緊縮財政にして増税もやむなしなどという話が聞こえてきますが、実際のところどうなんでしょうか。金融経済ド素人老人の冷や水のつもりで少し調べてみました。参照先は自民党西田議員の国会質疑動画、森永卓郎氏の著書、それに生成AIとの問答です。本格的にオリジナル文献等を調べたわけではないので、その程度の話と思って聞いてください。
国債、特に赤字国債とは国がする借金を指します。(国債は債券、つまり借金の証文の意味にも使います。)確かにこれが現在1300兆円(数字は正確ではありません)くらいあるのは確かです。この額を1.2億人の人口で割ると百万になるので、国民一人百万円の借金を背負っているから大変だと時々コメンテーターが言うのを聞いたことありませんか。私も10年くらい前はそんなものかと思っていましたが、これはとんでもない大ウソなので気を付けてください。国民の側は借り手ではなく貸し手、つまり債権者の側なのですから。
赤字国債で国が借金を始めたのは1965年です。それ以降毎年グラフのように積みあがっています。
最近では年間の国債発行額は30兆円以上、年間予算の3割を超えるまでになっています。これがずっと積みあがって累計1300兆円の赤字国債になっているのです。でもちょっと待ってください。国債の償還期限は10年ですからその都度返還しなければいけませんよね。そうすればこんな膨大な借金まみれにはならないはずです。ところがこれが国の会計の不思議なところで、一般家庭の家計簿と全然違うのです。「借り換え」という操作をご存じですか。サラ金に追い立てられると別の機関から借金して返済に回すというあれです。これを償還期限の来た国債の返還に適用するのです。国債の金の貸し手は日本銀行(日銀)、日銀が新たな国債を引き受けて政府に資金提供し、政府はその資金で期限の来た国債の借金を返済するという仕組みです。こうすることのメリットは国債の償還に税金を投入しなくてよいことです。デメリットは借金が一向に減らないこと。このようにしてよくも積もったり1300兆円!となったわけです。
ふつうこんなことをすると国際金融市場が許してくれるはずはありません。物凄いインフレ(ハイパーインフレ)が起こって国は倒産します。財務省はこれを恐れて累積赤字国債は税金で返済して無借金の国家経営に移行すべきだと強く主張しています。(これは増税とセットの政策)
しかし、1300兆円という世界一の借金が現にあるのにインフレの気配もなく日本は国際金融の世界で悠然としています。これはなぜでしょうか。日本の通貨「円」の信用性が極めて高いからです。さらに大きいのが日本は世界一の海外資産保有国であることだと私は思います(生成AIも同意)。実際、海外資産総額は1500兆円もあり、海外企業が日本に持つ資産を引いた対外純資産も471兆円と33年間連続世界一なのです。つまり、日本は借金大国であると同時に、世界有数の富裕大国なのです。この点ではGDPで他国に抜かれようと崩れない厳然たる事実なのです。だから、コロナ禍で安倍内閣が突然80兆円の赤字国債を突然積み増しして補正を組んでもインフレの兆候はゼロで世の中何も起こりませんでした。その時財務省は増税で対処すべきだと強硬に首相に迫ったらしいですが安倍首相は頑として聞き入れなかったそうです。(森永著書)
国家は富裕でも庶民はどんどん貧窮化。これも最近の現実です。我々庶民はなぜこんな理不尽に甘んじなければならぬのかは重大問題としてみんなで探求する必要があります。余談ですが今年を含めてこの数年日本企業は大儲けで国の税収は過去最高額だそうですよ。これを国民へ還元すべきなのにここでも財務省の横やりが入っているそうです。(国会中継動画)
では本題に戻ります。将来日本経済金融の安定性が損なわれて国が破産に追い込まれるような何か想定外の大事件は起こりうるのでしょうか。それはだれにも分かりません。しかし、私はその可能性は極めて低いと思います。(AIとしつこく問答した結果)それよりもむしろ、原発事故による日本崩壊の方がよほど現実味があると感じています。あと30年以内に南海、東南海、東海地震の連鎖と富士山噴火が80%の確率で起こります。その時原発が無傷で持つはずがありませんから。再度福島、チェルノブイリが日本で起こったら居住地の半減はおろか風評被害で日本の要の貿易が遮断されるのは目に見えています。その時、将来の日本国民はどうやって生き延びるのでしょうか。こっちの方の借金こそ国、官、民挙げて真剣に考えるべき大問題です。
追伸
大事な点を忘れていました。膨大な累積赤字なのに内外共に悠然としておれるのは9割方国内の借金だからです。海外機関からの借り入れは僅少なこと。いわば親戚身内の貸借りなのです。