7月5日大地震日本滅亡予言でworldwideにずいぶん盛り上がりましたが、この人たちには地球科学の知識が足りませんね~。地震や津波で日本は滅亡しません。本当に恐ろしいのは巨大火山の破滅的大噴火です。日本にはその火種が少なくとも9か所存在しているのが分かっています。そのうち4か所が九州(トカラ隣接の鬼界カルデラ、阿蘇カルデラ、姶良カルデラ霧島の加久藤カルデラ)、北海道3か所(屈斜路カルデラ、支笏カルデラ、摩周カルデラ)本州2か所(十和田カルデラ、箱根カルデラ)です。なお、カルデラとはマグマの噴火あとの外輪山を伴う巨大な空洞のことで、多くは湖になっています。これら9か所で過去10万年の間に数千年から1万年間隔で破局的大噴火が起こっています。ただし、海溝型地震のように同一ヵ所での繰り返し噴火の例はいまのところない。どのくらい破局的かというと、例えば九州火山の噴火の例では近畿で降灰50cm、関東20cm、東北でも10cm、北海道5cmだった。降灰5cmというのがどのくらい凄いことなのか富士山噴火のブログで書いたのでお分かりだと思います。つまり一度の噴火で日本全域が壊滅するのです。
さて、直近の破局噴火の例は7300年前の鬼界カルデラ。これは過去1万年間で世界最大の噴火規模と言われています。実は鬼界カルデラの北縁が、現在盛んに群発地震を起こしているトカラ列島に接続するのです。この位置関係があるので、現在の群発地震が大噴火とか大地震の前兆ではないかと噂話に直結しやすいのです。しかし、トカラは南海トラフに直接関係していません。それと現在計測される地震波形は火山性の波形を示していないとのことなので火山噴火の前兆でもないとの公式発表がなされています。ただし、ある専門家(私の大学同級生)はマグマ上昇の兆候があるとの見解なので、規模は別にして噴火が引き継いで起きないとは言い切れません。現在までに分かっていることは以上です。
纏めると次のように言えます。
・日本では過去10万年間に9回(つまり、数千年から1万年間隔)で全土壊滅の破局的火山噴火が起きている。
・直近は7300年前の鬼界カルデラ。このとき九州で栄えていた縄文人文明が絶滅した。
・もしこれが現代文明の時代に起これば、富士山噴火や南海トラフ地震津波のようなローカルな災害でなく日本全域を火砕流や降灰で覆いつくす全土壊滅級の大災害となるであろう。
・過去の例では同一ヵ所の繰り返しは無いので、次の噴火場所は全く分からない。
・地質学の経験則として、2度あることは3度、4度・・・起こるので、今後およそ2500年以内に破局的噴火が日本のどこかの火山で起きるのは確実である。
・いつどこで起きるかは科学では分からない。夢予知オカルトの出番かな?オカルト投稿に稼がれないように我々は知識で十分に武装することが大事である。